このデザイン、見覚えがある方も いるかもしれませんね。 そう、物件ファンでも 何度か紹介させていただいている、 日本のガウディとも呼ばれる 梵寿綱（ぼんじゅこう）さんの デザインです。

まずは外観から。 モザイクにステンドグラス、レリーフと ありとあらゆる表現をしながらも ふしぎと街並みに溶け込んでいます。

エントランスを入るとパティオと 呼ばれる吹き抜けの空間が。 デザイン的なものか、 四方を建物に囲われているからか、 こちらの方がより濃密な 空間体験ができそう。

床にはモザイクで描かれた クジラのしっぽのような デザインが特徴的。 普段はあまり目のいかない軒裏にまで 意匠が行き届いていて 密度の高さを感じます。 建物の外観を愛でるだけで 時間が流れてゆく…。

エレベーターホールも この仕上がり！ 大いなるものの掌の上に乗って お部屋へと向かう…という イメージでしょうか。 天井のオレンジの実のような モチーフは外観でも繰り返し 用いられていましたね。

さて、お部屋のほうは2LDK。 7.1帖のお部屋はDKとつなげて リビング的な使い方もできそうですね。

内装は一転してシンプルでモダン。 まるで別の物件に飛ばされたかの ような錯覚を覚えます。 ナチュラルなテイストなので どんな家具も似合いそうですね。

キッチンには食器洗浄機まで ついています。 これはうれしいギャップ。

水まわりもピッカピカ。 ワイドミラーが流行を押さえています。

トイレもピカピカでしかもタンクレス。

かと思えば不意打ちのように ステンドグラスが現れて、 あぁ、やはりここは梵寿綱の 建築なのだなとあらためて実感。

タイトルの「寿舞」は梵寿綱さんが 「住まい」を表すときによく使う 当て字だそうです。 寿が舞うなかで暮らすような 素敵な毎日が送れそうなお部屋です。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。