さらりとしたコンクリートの床に そっけなくも思える木の箱が一つ。 キメすぎないおおらかなかっこよさが 光るお部屋です。

外観は瓦やアーチが ちょっとレトロチック。 バルコニーがぴょこんと飛び出ている ５階のお部屋が 今回ご紹介の物件です。

合板製というのが素晴らしいですね。 シンプルでスタイリッシュな空間に 温かみを与えつつ、同時に ガレージ的なテイストも加わって、 どんなインテリアでも 受け止めてくれる懐の深い お部屋になっていると思います。

さて、中身はおなじみ、水回りです。 シンプルな洗面台に ちょっと変わった収納付きミラー。 洗濯機置き場の横の 可動棚も親切ですね。

トイレもキュッと納まっております。 ちょうどいいおこもり感。

お風呂もピカピカで気持ちいいですね。 箱に合わせた 木目調のアクセントも素敵です。

窓もあって明るいキッチンでは 一般的な普通のコンロ置き場と、 スタイリッシュな１本足のシンクが 共存しています。 フォーマルなジャケットに スニーカーを合わせた「はずし」 のような雰囲気。 あえてテイストを統一していないので、 どんな家電を持ち込んでもなじみそう。

バルコニーも広々として明るくて いい感じ。 丸く出っ張ったところには雨も当たる ことですし、おおきな鉢植えでも 置いちゃいましょうかね。

角部屋なので窓が多く、 奥行きが深いワンルームでも とっても明るい。

そんな中、こちら側がきれいな壁として 残っているのがいいですね。 窓が多いと行き場がなくなりがちな 家具もきちんと居場所を見つけられる。 白さを活かしてプロジェクターの スクリーンにもいいかも。

間取りはシンプルなワンルーム。 ですが木の箱が置かれることによって 玄関から部屋の中が丸見えにならない レイアウトになっています。 居室部分がコの字になることで、 キッチン、ダイニング、リビング、 寝室とゆるやかにゾーニングが なされていますね。

インテリアにこだわらないで ざっくり住んだとしても、 それはそれでかっこよく 住みこなせそうな素敵なお部屋でした。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。