この時代まで残った
堂々とした梁や深みを帯びた柱を
慈しみながら家を再生してゆく。

我が人生に、お金と時間の余裕があれば
（あと、センスと想像力も…）
ぜひ挑戦してみたいことのひとつ。

築80年ですって。
そのままの姿で
残っているなんてレアですね。

土間に沿って、
通りに面した「ミセノマ」という部屋と
台所、そして座敷が並んでいて、
奥の座敷と土間は吹き抜け。
普段よく紹介している
京町家とは少し様子が違う。

「織屋建（おりやだて）」といいます。
京都・西陣の機織り職人さんたちが
暮らした京町家のこと。
間取り図だけでは
なかなか見分けがつきませんが…。

天井のカタチも特徴のひとつ。
その昔、織物職人さんが
作業場にしていた奥の部屋に
織り機を置いていたため
天井が高く、玄関から奥にかけて
傾斜になっています。

見事な吹き抜けですよ。
お庭に面していることだし
リビングにしたら気持ちいいでしょうね。
床は無垢材か、サイザルも好きだし…。

空間をズドンと抜いてしまって
広いリビングダイニングにするのも
イマドキで心惹かれるものがありますが
飴色の柱はどうにか残したいな。
残せるのかな。職人さんに相談だ…。

は〜、なんと急な階段…！
これで2階に上がっていたんですね。
圧迫感のないスケルトン階段にしよう。

2階も天井が高めで
広さ的にも寝室によさそう。
建物の雰囲気に合わせて
レトロな傘付きランプを
たらりと垂らしてみるのも
雰囲気が出ていいでしょうね。

勾配がかった天井はぜひ生かして
つくり変えたいところです。
梁なんかは磨けば光る
ポテンシャルを秘めまくっている…。

少し見えづらいですが、
京町家の伝統的な
虫籠窓も残っているそうです。
そういう歴史あるものも上手に残せたら。

外観を横から見ると、屋根が
傾斜になっているのがよくわかる。

難易度高めかもしれませんが
天井の高さといい、吹き抜けといい、
ここだけでしか味わえない
気持ちのいい家に再生できそうです。
織屋建の持ち味を
今の時代に残してもらえますように。