ドキッとしました、
これって一目惚れでしょうか。

整然としたデザインの中に、
温かみを感じるレトロな気配。
近未来的なのに、どこか懐かしい不思議な魅力。

川沿いの桜並木に映える
大きな団地のリリシズム。
なのに圧迫感がまるでないのは、
絶妙な配置が生み出す
軽やかなリズムゆえかと。

団地っていいなぁ、なんて、
つい呟きたくなる外観に、
じわじわと盛り上がるお部屋への期待…

はぁ、やっぱり、
やっぱりね。
素敵じゃない、わけないんです。
LDKに心地よく溢れる陽の光、
幅広無垢材の床の艶めき、
どっしりとした家具の調和、
お部屋が放つ輝きに胸がドキドキ。

築40年超えの団地の一室ですが、
インテリアコーディネーターのオーナーさんが
20年前に自ら改修したこともあり、
随所にプロのセンスが光る、
贅沢なこだわりが満載のお家。

ほわっと包み込まれるような
やさしさを感じるシステムキッチンは、
知る人ぞ知るドイツの老舗家具メーカー、
ポーゲンポール社製とのこと。

広々とした作業スペースには
人工大理石の天板も付いているので、
パンとかピザやうどんとか
小麦粉こねこねレシピが楽しそう。

ちなみにガスコンロは
お料理好きに嬉しい４くちです。

冷蔵庫のすっぽり具合もたまりませんね。
シンプルで落ち着いたデザインの、
時を経てこそ感じられる、
飽きない底力のような魅力も
ひしひしと感じちゃいます。

おっと？素敵なキッチンの窓からは、
川が見えるじゃありませんか？

おぉ、川の向こうには海を発見。
眺望をのぞいてみたくて、
隣のバルコニーに行ってみますと、

左手には海と川、
右手には美しい弧を描く建物と、
後ろに広がる美しい山並み、
そして眼下いっぱい緑が広がる公園ビューまで！

リビングに戻って
ダイニングチェアに座ってみても、
大空と海の景色を一望する、
なんとも贅沢なパノラマ感。

間取りは極めてシンプルな2LDK。
限りなく無駄を省けるこの動線、
間取りの黄金比とでも呼びましょうか。

ぽっくりとした丸みが愛おしいドアノブは、
建設当時からの貴重な忘れ形見。
残すもの、リノベするもの、
このセンスを私もここで学びたい。

陽当たりの良い洋室は書斎に。
お部屋が明るいって、
それだけで人間、
やる気が湧いてきますから。

作業や読書や仕事の合間に、
こちらの景色をチラチラと。
満開の季節は見惚れてしまいそうな
桜を見下ろすリバービュー。

あら、もう一つの洋室も、
寝室にはもったいないほどの良き陽射し。
ん〜、私ならどっちを書斎にしようかな。

もちろんこちらの窓も素敵ビュー。
夜の景色もキレイなんだろうな、
眠る前には星空も見えたりするかしら？

洋室はどちらも、畳の上にカーペット敷きの
元和室で、しっかり収納の押し入れ付きです。
ふとした和の香り、大好き。
そうだ、ここだけ和室に戻すのも面白いかも。

昭和レトロな洗面所の美しいこと。
ピカピカとお手入れされた姿は誇らしげで、
これまでいかに自分が大事にされてきたか、
嬉々として語っているみたい。

お風呂は断然シンプル派、
自分で色々アレンジできるのが嬉しいところ。
ちなみに、この団地には、
敷地内にある巨大ボイラーからお湯が届く
「地域暖房給湯システム」という名の
素晴らしい設備が整っており、
各家庭には給湯器が不要で、
水回りの設備がスッキリしています！

さらにもう一つの団地自慢がこちら、
1970年代の先端技術、
24時間稼働の真空ダストシュート！
焼却施設まで自動的にゴミを運んでくれる、
ものすごくありがたい設備です。

築43年をあなどるべからず、
やはり只者ではなかった、この団地。

レトロという言葉では言い表せない
不思議な魅力を放っているのは、

高度成長期と言われた建設当時の人たちが
最先端の技術とともに、
たくさんの希望を込めた未来予想図を、
今も一緒に感じられるからかもしれません。

あぁ、団地っていいなぁ。