京都御所近くのエリア。 路地裏のカフェや和菓子屋さんがある 歩いているだけでちょっぴり楽しい大人の街。

砂利の路地裏に佇む一戸建て。 木の温かみが感じられます。

八の字の屋根の下に出入口がある 妻入りのお家。 路地奥では珍しい作りなのだそうですよ。

扉を開けると 三和土（たたき）風の土間と やわらかい光が入る障子がお出迎え。 石、木、紙、そして見上げると網代天井。 玄関だけでさまざまな素材が 混ざり合っています。

障子を開けると 広がるのは左右に広がる開放的な空間。 凸凹が心地良いなぐり加工の廊下 思わず足をスリスリしちゃうんだろうな。

ひょろんと細長い土地の真ん中に玄関を置き 左にリビング、右にダイニングキッチンがある ミニマルなおうちです。 左右どちらにもお庭があるなんて 外観からは気が付きませんでした！

遮る壁がないから すーっと風や光が通り抜けるんです。

お庭からたっぷりと光が差し込むダイニング。 まるで外にいるかのような空間。

朝起きて外を眺めながらコーヒーを飲む。 ゆったりと時間が流れて 頭が段々冴えていくのを感じられそう。

オレンジに灯るペンダントライトは 北欧風のインテリアショップ「flame」のもの。 ぽわんと温かく、ちょっぴり控えめ。 落ち着いた空間を演出してくれます。

天井が高いのも嬉しいな。 お部屋を繋ぐ廊下にあるのは… ロフトではないですか！

あぁ、やっぱり畳って癒される。 約4畳のロフトは ほっこりとした和のおこもり空間です。 お昼寝したり、読書をしたり 何もせずぼーっとしたり。 肌触りのよい畳なら なんだってできちゃうな。

タイルのお庭は木の囲いがあるから 周りからの目線も気になりません。 自分たちだけの 特別なアウトドア空間です。

日差しが強い日にはテントを広げて。 デッキチェアを出して風に当たったり 夜には夫婦で一杯飲んだり。

水栓もあるので ガーデニングだって楽しめちゃう。

シンボルツリーのソヨゴは 秋になると赤い実がなるそうですよ。 季節を感じられる お庭があるって、贅沢だなぁ。

さて、お次は反対側の リビングを見てみましょう。

こちらにもお庭があるんです。 リビングの下の方から やわらかく光を入れてくれるお庭です。

視線の先に緑があるって、いいですよね。 「あ、花が咲いたな」 「鳥が来たな」 と小さな幸せを見つけられる。

反対側は高い位置に窓がありました。 外からの視線が気にならないから ゆったり眠れそうです。

リビングからは そのままサニタリーへ繋がります。

木の独立洗面台って ありそうで、なかなかない！ ラタンのボックスにタオルや洗剤を入れて 収納するとよさそうです。

こちらはお風呂ではなく シャワールームです。 周辺には銭湯がいくつもあるので 週末に浸かりに行くのもおすすめです。

そして最後にもう1つ。 お庭と路地の出入口にもこだわりが。

両側にはほっそりと上品な木が 出迎えてくれて

ほんわか灯るライトに癒される。

足元はタイルと砂利。 素材を変えて ゆるやかに空間を分けています。

極めつけは かわいいレトロな鍵！ くるくるっと回すたびに キュンとしてしまいそうです。

風と光が通り抜ける 京都の平屋。 日本古来の数寄屋建築と 北欧のデザインを融合させた空間は どこか懐かしく、新しい。 きっと、暮らすほどに愛しさが増すのでしょう。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。