路地裏に佇む、昔懐かしい美容室。

まるで朝ドラが 始まりそうな佇まい......！

年季の入ったガラスドアと、 エレガントな窓格子！

新参者にはなかなか醸し出せない、 レトロな抒情が漂います。

戦前の昭和３年に建てられた建物で、 元は平屋建てだったそう。

平屋部分を残して２階建てに増築し、 １階には美容室、２階に住居があります。

場所は兵庫県西宮市の仁川。

物件だけでなく この建物がある細い路地ごと 時間をプレイバックしたような雰囲気。

近くには、いい味出してる 看板を掲げたお店も。

この路地を一歩出ると 現代の閑静な住宅街なので、 時代を行き来できるような ギャップのある立地にときめきます。

築94年のこの物件は、

戦争、震災と街の移り変わりを 見続けてきました。

１階の美容室だった空間。

煌めく照明のデザインや ポップなカラーの作り付け棚が 当時の雰囲気を残しています。

『美顔室』と書かれた扉を開けると 和な趣のある天井。

建物内には 和室が３間、洋室が２間あります。

このまま使用するには難しい状態なので 改装が必要。

すべてを残すのは難しく、 すべてを残すのが正解ではないと 思うのですが、

空間に花を添えてくれる欄間や、

様々な種類の型版ガラス、

懐かしい鍵や金具

建物の目印ともなる アンティーク感のある扉、

おしゃれな窓格子、

かわいい室内窓、

品のある建具など

長い年月を生きてきたこの建物の チャームポイントが残し活かされる 改装がされてほしいと、 勝手ながら願ってしまいます。

とはいえ現代で使いやすく、 残していく取捨選択が大事。

特に水回りは気になるところです。

私は初めて見たのですが これはセミ外風呂釜と言うらしく、 最近はほとんど見かけられなくなった ガス風呂釜です。

さて活用方法ですが、 裏に大学があることを踏まえると シェアハウスとして再生されたら。

私がもし大学生だったら かなり心惹かれます。

大学時代のシェアハウス、 本当に楽しかったなあ。

建物は136.39㎡あり、

間取りは5Kにくわえて

元・美容室部分がある状態。

広めなので部屋数も それなりに確保できそうです。

美容室部分が食堂になったら便利だなあと、 妄想はタダですので夢広がります。

日当たりのいいベランダも魅力的。

試験終わりにここで乾杯したい。 ハンモック置いてだらだらと過ごしたい。

窓を開ければ、 緑があるのも良いですねえ。

シェアハウスの他にも、 現状の間取りを活かして 店舗付き住宅として開業したり、

工房や教室として使ったり、

もしくはシンプルに 住まいとして活用したり、

色々と想像膨らみます。 使い手次第で魅力が倍増しそうです。

Googleストリートビューには 載らないほどの 細い路地裏を舞台に

『美容室』を引き継ぐチャレンジ。

あなたならどんな風に この建物を繋いでいきますか？

現地見学会（事前に必ず予約してください）

【日時】 5月27日（土） 10:00｜11:30｜13:30｜15:00

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

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