大変です。 これは「うなぎの寝所」フェチの私でも 歴代一位のインパクトかもしれません。

どん！

ひょろーんと伸びる敷地。 その広さなんと364.89m²、 坪数にして約110坪！ 265.06m²（約80坪）の建物に 奥には約37坪ものお庭があって 圧巻の広さです。

外観はまるで旅館や割烹料理店のような 和モダンな雰囲気。 元々は生糸を商っていた築90年の京町家を リノベーションしたそうですよ。

そう、外観からは想像がつきませんが 実はこちらはシェアハウスなのです！ 「食と趣味」をテーマに 共用部をたっぷり設けています。 「九条ねぎ」「賀茂茄子」 というお部屋の名前からも 食に対する思いが伝わってきますね。

玄関に入ると 出迎えてくれるのはどこまでも続く長ーい土間。 収納もズラリと、圧巻。

さらに廊下を歩いた左手には 16帖のダイニング。

カフェライクなヘリンボーンの床に 木のテーブル そして奥まで続くキッチンカウンター。

大きな窓からは 贅沢に光が入ってきて なんて爽やかな空間でしょう。

この出窓で朝食を食べる なんていうのも素敵。

せっかくだから京野菜を使った ご飯を作ろう。 料理が得意なルームメイトに教えてもらったり 「一緒に食べる？」なんて会話をしたり。

食事が終わったらお隣の和室へどうぞ。 温かいお茶を入れて みかん片手にホッと一息。

土間側から入るなら こちらの躙り口（にじりぐち）を使いましょ。 名前の通り、身を低くしてにじるように入るなんて まさに京都ならでは。

廊下の奥には おや、中庭が見えますね。

うなぎの寝所の中間地点に これだけ開放的な中庭があるから ダイニングや和室にも 光が入っていたのでしょう。

さりげなく置かれた椅子に座って 読書をしたり シェア仲間と世間話をしたり。

続いて小窓付きの浴室やシャワールームに トイレが2つありまして

タオルや洗面道具を入れるのに 便利な収納スペースも。

個室の先には 大きな大きなウッドデッキがありました！ 夏には蚊取り線香を焚いてビールを飲みたいな。

奥にある37坪の菜園で育てた 採れたて野菜をムシャリとしながら。

ウッドデッキの先には レトロな佇まいの蔵があります。 ちょっと入るのに勇気がいりそう。

でも安心してください。 こちらの蔵では

1階には楽器演奏（条件あり）や

読書、テレワークをしたりする いわゆるおこもりスペース。

2階ではプロジェクターに映して 映画鑑賞ができる シアタースペースがあるのです。 こんなに共用部分が充実していたら 外に出る必要がないかも！

1階を探検しただけで かなり満たされてしまっていますが、まだまだ！ お次は2階へ。

階段の先には ちょっとしたラウンジがありました。

部屋に入る前に仲間と ちょっと会話をしたり みんなの気配を感じながら 考え事をしてみたり。

吹き抜け構造になっているので 見下ろせば風や光が抜けるような解放感。

2階は個室がメインです。 入居中のお部屋はお見せできませんが こんなお部屋があるそうで。

あぁ、レトロでかわいいこと！ アンティークなガラス窓が 贅沢に使われたお部屋。

こっくりとした色合いの 木の建具はお部屋に味わいを もたらしてくれますね。

2階にはダブルシンクの洗面台も。 朝の身支度も気持ちよくできそう！

洗面台はベランダに続いていました。 顔を洗ったら ベランダでストレッチするのもいいですね。

外観からは想像もつかない 広くて長い、うなぎの寝床のシェアハウス。 レトロな個室やウッドデッキで 1人静かに過ごすのもよし キッチンや蔵で 仲間とワイワイ過ごすもよし。 まさにシェアハウスのいいとこどり！ というような空間です。

いやぁ、恐れ入りました。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。