生活に必要なものってなんだろう。 便利な家電や オシャレなインテリア。 でもこの部屋ならば 畳と空さえあれば 他には何もいらないな と思ったのです。

場所は京都の田村備前町。 老舗の専門店や可愛らしい洋食店なんかが 立ち並ぶ住宅街。

路地を入って 右手の突き当たりがこちらの物件。

あぁ、空が綺麗だこと！ 平屋のようなちいさなおうちと スコンと抜ける青い空。

吹き抜けリビングにロフト。 それに小さなお庭とウッドデッキ。 シンプルながら 夢をぎゅっと集めたような間取りです。

木に囲まれたリッチな玄関ポーチ！ 透明な屋根だから 光を通して 明るいサンルームのような雰囲気です。

さて、外とつながった この空間をどう使おう。 大切なバイクを磨いたり 温室のようにいろんな草花を育てたり DIYを楽しんだり…。

スポットライトもついているんですね！

それならアウトドアチェアを出して キャンプ気分を味わうのも魅力的。

玄関からつながるのは モザイクタイルがキュートな 洗面スペース。 天井の温かみがある木材や ぽわんと灯るライトがお出迎え。

建具も木とガラスで作られて 光がすーっと通る感じがします。

この洗面台 見るたびにうっとりしてしまいそう！ シンプルながら 個性的な蛇口のデザイン なんて絵になるんでしょう。

収納もたーっぷり。 生活感をとことん隠しましょ。

後ろのバスルームはガラス張りのドアに このスイッチ。 静かなる美しさ ってところでしょうか。

モザイクタイルたっぷりのバスルーム。 シンプルなスクエア型って ずっと眺めていたくなっちゃうな。

サニタリースペースの奥には 開放的な縦長のリビング。 白い壁に 木で包まれた床や天井。 要らないものは削ぎ落として 心が求めるものだけを残したような 上質な空間。

木はマットなままで 存在感をそっと消して。

決して主張せず 見守ってくれるような温かさ。 スラリと背の高い木の建具に そんな印象さえ持ってしまいます。

中身だってたっぷりと収納できて 頼もしい！

ステンレスのキッチンは 無駄を削ぎ落としたミニマルなデザイン。 キリッとシャープなフォルムが かっこいい。

奥にはほっこりとした 陽だまりがありました。 あぁ、ここでお昼寝したら どんなに気持ち良いでしょう！

造作棚にはテレビを置いてもいいし 本をずらりと並べてもいいな。

お天気がいい日には ウッドデッキに出てゴロゴロお昼寝。 「今日も空が高いな」 そんなことをぼんやり思いながら ふうって深呼吸。

花壇にはレモンの木やハーブの木 ちょっとした家庭菜園を楽しんでみたり。

リビングは吹き抜けで開放的。 木の素材そのままのような飾り柱が ピリッとアクセントになっています。

お、ロフト上には天窓があるんですね。 気になるので行ってみましょう。

思わず指でなぞりたくなる 丁寧な造りの木の階段。

空に上るような気分で 一歩ずつ上れば 見えてきました。 ロフトです！

ロフト＝物置き とイメージしていた方は ビックリしたのではないでしょうか。 一面畳の 温かみがある和のおこもり空間。

広さは6.5畳。 お布団スペースだけではもったいない。

寝転ぶと 天窓から見えるのは 青い空だけ。 背中から伝わるサラリとした畳の質感と 高い空。 これ以上に何がいるかしら。

寝っ転がりながら文庫本を読み漁ったり 空を見ながらヨガをしたり…。 あぁ、この心地良い空間をどう使おう と妄想しているだけでワクワクしてきます。

素材にこだわり 無駄は省き 心が喜ぶものだけを贅沢に詰め込んだ ミニマルハウス。 さぁ、あなたはどう過ごしますか？

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。