京町家。 それは憧れの響き。 家そのものが 歴史ある京都の町並みの ひとつだなんて。 その存在を知ってから ずっと心の一部を占めています。

チャンスがあれば暮らしてみたい。 そう、こんな趣のある外観は 頭に思い描く京町家そのもの。

だけどやっぱり 土間の台所や本格的なかまど、 奥へ奥へと続く間取り、 いわゆる「うなぎの寝床」を思うと 住みこなすには不安もあったり…。 そんな方って 他にもいるんじゃないかと思います。

だけどこのお部屋、 中に入った瞬間に これがあの京町家？とびっくり。 リノベーションで生まれ変わった室内は 「何を不安がっているの？」と 語りかけてくるよう。

建物の2階部分に 廊下を挟んで洋室が2つ。 想像と全く違う空間に ただただ驚くばかりです。

外から見れば やっぱりしっかり長屋で。

だけど扉を開けて （1階はお料理屋さんみたい！）

左奥の透明な扉の向こうには

お部屋へと続く階段が。

その先に広がる光景に やっぱり驚いてしまうのです。 知っている京町家のイメージとは がらりと異なる 明るくてシンプルな内装。

だけれども 見上げた天井の高さや どっしりと構える梁には 求めていた京町家の空気が じんわりと漂っていてうれしい。

きっとこの辺の柱や壁も 大ベテランさんなんだろうな。

無垢のフローリングと 上に置かれた畳は のんびりとしたリラックスタイムを 約束してくれるような組み合わせです。

お部屋の真ん中には コンパクトなキッチン。 電子レンジ調理を研究したり 京都のごはん屋さんを開拓したり 工夫の余地はたくさんあるので 上手に活用したいところ。 食器や冷蔵庫は お部屋にも余裕で置けそうですよ。

お、個人的には 洗面台が大きいのはポイント高いぞ。 顔を洗う時ってどうしても 水がばしゃばしゃ飛ぶもので…。

浴槽はないけど その分お掃除がらくちんそう。 せっかくだから散歩ついでに 銭湯巡りも趣味にしたら楽しいかも。

トイレには 手洗い器までついています。 他の水回りがミニマルなだけに うれしい誤算…なんて思ったり。

水回りが並ぶ廊下の向こうは

7.2帖の洋室です。

ベッド2つがすっぽりおさまるし

こんな感じでデスクも置けます。 というかこのお部屋、 家賃5,000円UPで 家具付きになるそうで どの家具もお部屋にぴったりで かなり魅力的…！

収納は廊下にあるこの1か所だけど 奥行きもあって しっかり大容量。

そうそう、洗濯機置き場は 1階にあったんでした。 掃除道具とかも置けて なかなか便利なスペースです。

お部屋の中で過ごしていたら ここが京町家だということを 忘れてしまいそうだけど

黒塗りの欄干に手をかけたり

窓から小庭を見下ろしたりする度に 憧れた場所に住んでるって 実感するんだろうな。

それにやっぱり… 「ここに住んでるんです」って 言えちゃうんですよね。 どうしたってそれがうれしい。 憧れの外観の内側は ナチュラルで明るくて だけれども じゅわっと京町家エッセンスが 染みわたっていて…。 リノベーションという魔法がくれた ビギナーさんが京町家に住むチャンス。 安心して飛びつけそうではないですか。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk