静かだけれど活気がある気配。
人々が行き交い、交流し、
空気が動いている。
ここは交流スペース。
円形のような、
少し不思議なカタチでしょう。

建物が十角形の二階建て。
エコール・ド・パリ時代の
芸術家たちの共同アトリエを
モデルにして建てられたといいます。

それゆえ小物作家さんや
アーティストさんが多く

アトリエや事務所として
利用されているんですって。

たしかに雰囲気ありますね。
たくさんの人が行き来したであろう
角っこが丸くなった
レンガの階段とか…

あえて統一していない
調度品たちのこなれ感が
とても心地がいい。

借主さん同士の交流もさかんで
協力し合いながら
作品展なども開催するそう。

そして特筆すべきは
やはり建物のカタチで

おお、これはたまらん楽しさ…！
まるで大きな傘を広げたような、
はたまたハチの巣のような…。
各面に規則正しく並ぶドアも
なんだかかわいく見えてくる。

では、いよいよ
お部屋も覗いてみましょうか。

キレイに切り分けた
バウムクーヘンに似ている…！
ぜんぶ同じ間取りなんですよ。

潔いほどにシンプルだ…。
だからこそモノづくりする場に
向いているのかもしれない。
それに、オーナーさんに承諾を得れば
DIYもOKなのも
自由度が高くていい。

棚を買い足して
IHコンロを持ってくれば
お茶も入れられるし

作業台やらワークデスク、
シェルフやミシンや画材…
いつのまにか床が見えなくなるほど
たくさんのモノで溢れていそう。

よしよし、トイレも十分。
集中できる。

先ほどは十角形に
気を取られていたけれど
建物の回りを見渡せば
緑にあふれているのもいい。

……むむ？
「KANDAI STUDENT 21」…？
カンダイ…関大…関西大学？
そう、この建物はもともと
学生向けアパートだったそうな。

時は流れ、学生の住人さんは
今はひとりもいません。
前述したとおり、
作家さんたちが集まる
まるでシェアハウスのような
アトリエに生まれ変わりました。

緑の中にこっそり佇むこの場所で
エコール・ド・パリのように、
仲間に刺激をもらいながら
ものを作ったり絵を描いたりして。
そんなボヘミアン的な暮らしを
紡いでみたいものです。