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大きな栗の木のあるおうち〈新潟〉

土曜日の午前授業が終わって帰ると、 炊きたてご飯のにおいがした。

おばあちゃんの栗ごはんだ。

ハンガーに上着を引っかけて、食卓へ。

今日は栗がゴロゴロと豪勢に入った栗ご飯と、 昨日の残りの鶏肉と大根の煮物。

テレビからは朝ドラの再放送。 朝も見ただろうに、昼も見るおばあちゃん。
火鉢の炭火具合を確かめて 食後に鉄瓶で緑茶を淹れてくれる。

なんとなく、普通に淹れるお茶より おいしく感じる。

おばあちゃんはマメだ。
毎年この季節は 庭の栗を使った料理が 食卓に並ぶ。
せっせと収穫しながら 「全部採らないんだよ、  ありがとうって自然にお返しする分を  残すんだよ」 と言っていた。
これがいいかな、と 出来栄えの良い栗を3つ4つ選んで、 おじいちゃんの写真の前に 並べるのを忘れずに。
もう少し季節が進むと 軒先に大根を干す。

おばあちゃんはみかんが大好物で みかんの皮も干す。

それをお風呂に入れると お肌にいいんだ、と言う。
毎日、庭で何やらしたり、 あれこれ作ったり、人が来たり。

おばあちゃんの日々は、 マメで、せわしない。

こないだなんかは親戚がたくさん来て 6台入る駐車場が活躍した。
来客があると、 「孫たちからもらったプレゼントなのよ」と 玄関やトイレに飾られた諸々を 紹介する時間が始まる。
玄関の飾り棚や柱、
吹き抜けの、うねっと、立派な梁。 おばあちゃんの自慢。 褒められると照れながら笑う。

随分楽しそうにお喋りしてたけど、 みんな帰って家がシンとすると 「疲れちゃった。ピザ注文しよ」って言う。

コーラとマルゲリータな夜も良いよねって 缶で乾杯。 おじいちゃんの写真の前に 栗とピザが並んだ。

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

トダビューハイツ 想像建築

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