いわゆる狭小住宅っていうと
いかに広く見せるか、
いかにスペースを有効活用させるか、
限られた中で
いかに多く採光を取り入れるか、
…など、知恵を絞り出して、
ほほぅ！となる工夫が
多く見られると思うんですが
こちらのおうちは、
ちょっと違う方向へと振り切っていて
なかなかにユニークでありますよ！
秘密基地や隠れ家と聞いて、
じっとしてられないあなた。
カプセルホテルとかの空間が
たまらなく好きなあなた。

ほら、見てください、
玄関入ってもう、普通じゃない。
採光とか、広く見せる、とかの
逆を行っているかような…。
しかし！

この空間を一目見ただけで
訳もなくワクワクしてきやしませんか。
しますよね！
ええ、わかります、
子どもや探検好きの大人なら
もうこれだけで
既に楽しくてたまらないって。
心をくすぐる、重なる段々、
箱のような部屋。

ここで間取り図を。
おお、カッターの刃のように
エッジが効いてる。
2階建てに床下収納…の部屋？！
6.6畳もある！

おお、これは這って入るのだろうか、
あわよくば居室に…と思ったが
忍者修行でもしてないと
厳しいかもしれない。
カプセルホテル住まいが
苦でない人はどうぞ。
収納スペースとしてはかなり優秀。
季節物、アウトドア用品、どんとこい。

玄関入った土間の先に見えてた階段は
こちらの洋室への入り口。
このおこもり感、山小屋感。
太陽の強い陽射しが苦手！
昼より夜が好き！
そんな人にもちょうどいい。
明るすぎるより、ほんのり暗いほうが
目も心も、落ち着いたりしますよね。
夜には橙色のランプを灯して
とろんと眠りに落ちていきたい。

部屋から振り向くと、こう。
うん、なかなか良い眺め。

さて、上へと続く階段を
上るとそこは

キッチン、ダイニング。
ステンレスのキッチン台は意外にも広くて
コンロも3くち。
ん？あのステージのような
小上がりは何だろう…
ちゃぶ台と座布団でも置けば、憩いの食卓？
でなければ、
大きめの観葉植物を置いても良さげ。
なんせ全面板張りだから、
緑がしっくり馴染みそう。
癒しのグリーンステージ。

なるべく家具を置かなくて済むように
壁の棚とシンク下収納に収まるだけの
食器やキッチン用品を厳選したい。
さて、この先は、納戸とあったけれど

ふむ、なかなかの屋根裏感。
でも、こうして見ると
普通に部屋としても使えそう。
書斎にしてもいいし、
暗さを生かしてシアタールームなんかも…！

ここからキッチンのほうを見ると
結構明るい。

あ、見上げると、そこは空。
狭小ならではの天井ガラス張り！
よかった、採光を諦めてなかった。

そして、気になるこの
右手に見えるハシゴ。

なんと、屋上へと繋がっているのでした。
いいですね、自分だけの屋上。
ちょっとこもった空間からの
パッとした開放感。
夕暮れに一人黄昏たり
そよ風に吹かれたい。

最後に、1階に集合している
水回りチェックへと。
おお、トイレまで板張りとは徹底してる！
なかなかに落ち着きそう。

なんだかキャンプ場みたいな気がしてきた。

あ、お風呂は普通だった。
居室が個性的なだけに
普通が逆に新鮮だったりして…。
それに掃除しやすそうなのが一番です。

外観は、普通に歩いてたら
気に留めなさそうなごくシンプルな住宅。

まさか中があんな箱と段々でできた
面白空間なんて、誰も思うまい。
住む人だけが味わえる
ちょっぴり冒険とワクワクの非日常。
まるでリスにでもなったかのような気分で
重なる段々を行ったり来たり、
箱から箱へと移動して。
自分だけの小さな空間を
慎ましくも愉快に暮らしたい。