買っちゃった。 いわゆる、セカンドハウスってやつ。 しかも、昔から憧れだったアメリカンハウスだ。

衝動買いに近かったと思う。 物件を見つけて、ほとんど買う気で 「セカンドハウスってどう思う？」と 突然切り出した私。 「どうせもう目星つけてるんでしょ」って 笑いながら言った夫。 さすがだ。

都内から片道2時間くらい。 矢板ICから程近いこの辺りは よくゴルフをしに来たり 実家に帰る通り道だったりで 割となじみのエリアだった。 さすがに家を買う予定はなかったけれど。

でも、偶然見かけた物件情報で 憧れの具現化みたいなアメリカンハウスが あまりに安かったものだから 急にその気になってしまったのだ。

家があれば、親や友達を呼んで ゆっくりゴルフを楽しんだ後に 皆でお酒も楽しめる。 なんならテレワークも増えたから 仕事を調整すれば長めの滞在もできる。 いつか都内で家を買うつもりだったけど 広さまで求めるのは難しいかもな、と そろそろ現実も見えてきたところ。 だったら小回りが利く賃貸に住みつつ 思い切って郊外に家を買うっていうのも 今の時代はありなんじゃない？って 思ったんだ。

ウッドデッキに 両開きの玄関ドア。 これだけで、軽く夢が叶ってる感じ。

中に入れば ステンドグラスがあしらわれた シューズクローク。 うれしくって小躍りしてしまいそうだ。

リビングは早速思い切った色使い。 うん、これを求めていたの。

あぁ憧れのアメリカンハウス。 来世あたりで住めたらな、なんて 思っていたけれど その時は、意外に早くきたもんだ。

このキッチンに一目ぼれだった。 ミントグリーンのモザイクタイル、 なんてさわやかなんだろう。 カラフルな床は 視界に入るだけでハッピーだし お勝手口のドアまで きちんとかわいい。

広いパントリーに またテンションがあがる。 セカンドハウスなら 保存がきく食料を置いておくだろうし きっと活躍してくれる。

高い吹き抜けには 2階からのぞき込めるような 室内窓がたまらない。

階段だって素敵で ここに着いたらまず 手すりを拭き上げるのが習慣になった。

吹き抜けの向こうのお部屋は 深い赤に建具の白がよく映えて アメリカンハウスの象徴のよう。

ウォークインクローゼットも広々。 一つひとつのサイズ感が 東京の自宅と全然違うなぁと いちいち驚いてしまう。

12帖の洋室は バルコニーに面していて 明るくて気持ちがいい。 ドアが2つあるので 簡単なパーテーションで仕切って 主寝室とワークスペースに分けている。 この使い方は夫の提案で 意外なほどここを 気に入ってくれているのが分かって うれしくなった。

トイレは2か所。 1階はプレーンな内装だけれど

2階は洋室とおそろいの赤！ 狭い空間で味わう赤は 少しエキゾチックな感じもあって それもまた好きなんだ。

これまた贅沢な広さの洗面台には 鏡の両サイドに窓。 ゴールドの水栓をひねりながら 風を感じる時 改めて、幸せな時間だなぁと ため息がこぼれてしまう。

浴室まで赤いのは意外だったけど 慣れると意外としっくりくるし 何より、遊びに来る友人から とても評判がいい。 非日常感が楽しいみたいだ。

1つ1つが大きくてカラフルなお家。 いつまでも夢見心地で過ごせるのは きっとここが 完全な日常ではないからかもしれない。 レジャーや気分転換の場所だからこそ ここで過ごす時間はいつだって楽しいし 東京のコンパクトなお家は 利便性を叶えてくれるだけで 十分にありがたいと思える。

憧れだったお家を セカンドハウスという形で手に入れたのは ものすごくいい選択だったかもしれないぞ、と 鼻歌を歌いながら仕事をする夫を横目に 今日も自分を称賛してしまうのだ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。