素材が自分に馴染んでいく 心地よさ。 革のバッグが柔らかくなったり 無垢の木がほんのり日焼けしたり。 そんな時間の流れが 愛おしくなる自然素材の家。

築36年のヴィンテージマンション。 レトロな門構えに 思わずニンマリ。

お部屋は1階の1LDK。 60平米近くあるので 二人暮らしにもいいですね。 はっきりと居室に分けず ゆるりと仕切った空間です。

足元の灯りが まるで画廊のような廊下。 左側の一面は全部壁面収納です。 無機質になりがちな 収納扉も木で仕上げているから 手に触れるたび ほんのり心地よさそう。

右手にはニッチ、 奥にはスポットライトのある飾り棚。 左手に進むとリビングへ。

目の前に広がるのは なんとも味わい深い自然素材！ 表情豊かな ナラの無垢の床に 木枠の室内窓。 控えめなスポットライトも 相性バッチリです。

無垢の床ってなんだか 時間がゆったり流れている気がします。 少しずつ変わっていく色合いを じっくり楽しみたい。

広めのリビングだから ダイニングテーブルも置けそうです。 ダークブラウンの カフェテーブルなんてどうだろう。

リビングの一角にあるキッチンは 照明に照らされて まるでステージのよう。 リビングに似合うよう 天板はステンレス。 面材は突板を使用した オーダーメイドのキッチンです。

造作棚には 調味料を入れたガラスポットや コーヒーミルを並べたい。

お部屋を印象付けているのが 壁面に使われている 栃木県の大谷石。 どこか神秘的な雰囲気さえ漂う美しさ。 見た目の美しさだけでなく 吸音性や消臭性にも優れているそう。

振り返ると気になる アールの入り口の空間。 もしや、舞台のバックステージ…？

いえいえ、 大きな大きな ウォークインクローゼットです！ 扉ではなく あえてカーテンにすることで 無駄なスペースを作りません。 奥行きもたっぷり。 スーツケースも引き出しの棚も入りそう。

室内窓の向こうには ベッドルームがありました。 こちらは ホッと落ち着くブルーグレーの壁に 深い色のカリン材の床。 見上げると淡い木の天井に ポツンと灯るライトが とろんと眠りに誘います。

ベッドを置いて余裕があれば パソコンデスクを用意して ワークスペースを作ってもいいですね。

サニタリールームは さまざまな表情を見せてくれる 3種類のタイル仕上げ。 やわらかい間接照明が 空間に広がりを見せ まるで高級ホテルのような雰囲気です。

バスルームも一新してあります。 シンプルながら落ち着く 色合いです。

無垢の木や石 さまざまな自然素材に 囲まれたお部屋。 陽に当たったり 踏み締めたりして 少しずつ馴染んでくる自然素材の表情を じっくり味わいながら 暮らしたいな。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。