私が生まれ育った下町・荒川区に おもしろい物件が誕生しました。

とてもすてきなので、 推薦文的な気持ちで 書いてみます。

商店街で、おでん、やきとり、 あとお買い得だった 新鮮野菜をぶらさげて。

木の香り漂う 材木屋さんを越えると 見えてくるのがここ。

１階にカフェとアートギャラリー、 ２階にシェアハウスがある 『OGU MAG+』。

築およそ50年の物件を 地元の大家さん、建築家さんたちが 想いを込めてリノベーションしました。

今回募集しているのは ２階のシェアハウスの住人さん。

ということで、 まずは募集中の２階から 見てみましょう。

外階段を登って 昭和のかおりがする 玄関を開けると、 シェアハウスの共有部。

天井を抜いているため 開放感があります。

以前は別戸の部屋が並ぶ よく見かける木造アパートでした。 その部屋たちを合体し リノベーションしたのがこの空間。

随所に懐かしい建具や 立派な柱や梁が残っています。　

写真は完成当初のものですが、 先日、私が伺った時は すてきなお花やインテリアが 飾られていました。

インテリアショップに勤めていた 住人さんによるものだそうです。

商店街のおいしい おでんをお皿に移して ここでご友人と食べていて、 商店街が近い暮らしっていいよなあと しみじみ思いました。 （使ってるお皿がまたおしゃれだった）

このキッチンを中心に ３つのお部屋があります。

この間取り、おもしろいですよね。 『+』の形になってる。 物件名の『OGU MAG+』にも ちなんでいるらしいです。

募集中なのは、 約4.5畳の＜住戸３＞の部屋。

ロフトと ハンガーパイプつきです。

ロフト下を布でゆるやかに区切ったり 見せる収納棚を設置したり。 ここに合う空間を工夫して生み出したい。

ロフトで寝ると 梁を迫力ある距離感で 味わえそうです。

シャワー、トイレ、洗濯機などの 水回りスペースも新装されていて ピカピカです。

浴槽がないのですが すぐ近くに広い銭湯があります。

荒川区は銭湯が多いので まずは巡ってみて 推し銭湯を見つけてみてください。

ちなみに計画当初は 国内外の若いアーティストが 制作しながら滞在できる シェアレジデンスとして 計画していたそうです。

このご時世で なかなか厳しい状況に なってしまいましたが...

いずれそうした活用も できる日がきたらいいなと 大家さんが言っていました。

２階で個人的に 好きなスポットがありまして、 それが玄関から見て 真正面の奥のところ。

間取りには「サンルーム」と書かれた 小さな畳の空間！

半透明の引き戸を閉じれば ちょっとしたおこもり空間に。

ちなみに照明も畳も、 地元のものを使っています。

このサンルームが １階と吹き抜けでつながっています。

では気になる１階も 見てみましょう。

先ほどのサンルームから 見えていたのはここ。

焼き菓子とコーヒーが 楽しめるカフェです。

お菓子もコーヒーも これまた地元のものを使っています。 自然と町のものに 触れられる物件なんです。

座って外を見ると、 向かいのスナックと 『海鮮料理 真知子』が見えるのも、 この町っぽくて好きです。

右上に見えるのが ２階のサンルーム。

住人さんによれば ギャラリーの設営の音や イベントがあるときはその様子が なんとなく聞こえてくるそう。

それもこの物件ならではの良いところ、 と言っていました。

１階で開催されている イベントなどが気になれば ひょいっと参加しやすい 接点のある造りです。

カフェとつながっているのが、 ギャラリー。

大家さんが元々、 10年近くこのスペースで ギャラリーを運営されていて、 2021年にカフェとシェアハウス機能を 追加された、という経緯。

カフェが始まってからは ちょっとお茶してから ギャラリーを見る方が増えたと おっしゃっていました。

普段アートに触れない場合 ギャラリーって少し 入りづらい存在かもしれません。 カフェができたことで 敷居が低くなったのかも。

このギャラリー、 入居者特典がありまして、 入居1年間につき7日間無償利用ができます。

また、このスペースをアトリエとして 入居者割で1日1500円で 利用することも可能。

最近は、ワークショップ系のイベントを このアトリエスペースで 開催されている日もあって とても賑わっています。

とはいえ、もちろん アーティストではない方も ご入居大歓迎です！

この物件がある 荒川区尾久エリアは、 ドラマで見るような 下町の風景が広がっています。

町の人と程よい距離感で暮らすような ちょっとスパイスのある日常に 興味のある方には うってつけのおうちだと思います。

穏やかな大家さんの人柄が 乗り移ったような あたたかな物件です。

すてきな住人さんが シェアハウス１期生として 来てくれますように。

photo　© Forward Stroke inc.　

入居者特典 ①ギャラリー・入居1年間につき7日間無償利用可能 ②アトリエ・入居者割で1日1500円で利用可能（通常は1日2500円）

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

トダビューハイツ 想像建築