ニューヨークのお部屋…？ とキョトンとしてしまうほど、 どこを見ても抜け目がない。 くすみカラーの格子の扉、 じんわりといい色合いの フローリング、室内窓、 ブラックのペンダントライト。 すべてが調和したこの世界観に、 思わずほぉ…と感嘆の吐息が。

お部屋はですね、正直、 そこまで広くはないのです。 というより、コンパクト。

けれどそのちんまり感が 逆にかっこいいのでは…？と、 だんだん思ってくるのです。 完璧に仕上がったお部屋を じっくり見ているうちに。

気分は、ニューヨークの ブルックリンに住む 若手のアーティスト。 壁にすっぽりとはまる ジャストサイズのベッドの上で、 今日も今日とて頭をひねって 新しいアイデアを生み出す。

コンパクトといっても 天井はこんなに抜けているので、 圧迫感はあまりなさそうです。 剥き出しの梁とシーリングファン、 最高の組み合わせですね…！ 心を掴まれるどんとした魅力。

電気の配線だって インテリアのひとつです。 インダストリアルな雰囲気が かっこいい金属配管に、 さらにサビ加工をするこだわり。

濃いところ、淡いところ。 色の濃淡が美しい床は、 サクラの無垢フローリング。 裸足でするんと歩きたい。

おしゃれなくすみカラーの扉を からりからりと開けると…

意外にもゆったりした 収納スペースがありました。 どこかツンとしたパイプハンガーが、 媚びない雰囲気でナイスです。

キッチンに続く扉もすてき、 ピリリと空間を引き締める 夜の闇のようなブラックで。 だけど、反対側から見ると…

グリーンのレンガクロスに やんわりと包まれて、 ちょっぴりかわいらしいお顔に。 横に添えられた室内窓と 仲よしな雰囲気でいいな。

キッチンは2面採光で、 ふわりと明るい空間で お料理することができます。

いいですねぇ、グリーンに ブルーグレー、ホワイト。 色が喧嘩せずに、しっかりと 空間に馴染んでいます。

あ、あの窓の木がいいぞ！ 真鍮のS字フックで おたまやフライ返し、 ミトンやマグカップなんかを ラフにぶら下げたいな。

洗面スペースは 潔いシンプルさ。 か、かっこいいな…。 あれこれ飾り立てずに、 このクールさを保ちたい。

お風呂はきゅっとミニサイズ。 体をまんまるにするか、 浴槽のふちに足をぶらんと 投げ出してワイルドに入るか。 私はたまに後者の方法で 入浴しますが、なかなか楽です。

あぁ、トイレの照明もいい…。 たくさんの枝の間から、 にじむ月を見上げているよう。

ここまで完成されていると、 インテリアに悩むことも あんまりないのではないかな。 「この家具は合う、合わない」と パッと判断できそうです。

日本国内で過ごしながらも、 お部屋に帰ればブルックリン。 非日常が溶け込んだお部屋に、 毎日刺激をもらえそうです。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana