白い木枠の大きな窓に、 扉部分は磨りガラス。 おりこうに組まれた格子が 愛らしくて、胸が高鳴る。

ね、なんだかこの窓から 物語が始まりそう。 外と中をやさしく区切る窓が、 ここで過ごす人を見守る。

お庭で植物を育てたり、 テラスで日向ぼっこをしたり。 雨の日にはお部屋の中から、 格子窓にあたるしずくを ぼんやり眺めて過ごしたり。 窓の存在を感じながら、 ここで暮らしてみたいのです。

窓から差し込む光を なるべく遮らないように、 ちょんちょんとスリットが。 間取り図だとなかなか ピンとこないかもしれないので、 さっそくどうぞ。美しい隙間を。

お部屋の奥まで どうにか光を届けるぞ。 そんな配慮が伝わるスリット。 スリットの向こうには寝室があり、 そこからの光がゆるんと リビングまで漏れ出ています。

反対側にもスリットが。 お部屋全体がまぶしいほど！ というわけではありませんが、 むしろこの適度な光が心地いい。 気持ちがゆるむいい塩梅。

ちなみにお写真は フローリングですが、 今回はタイルカーペットに 変更になっているとのこと。 ふむ、どんな色合いなのかな。 やわらかいカーペットで、 さらにとろけそうな空間に 変身しているかしら。

寝室からもお庭を 愛でることができますよ。 お花を育てるのはあまり やったことがないけれど、 このお庭があるのなら…。

うん、挑戦してみようと 思えるかもしれません。 自分が育てた、自分だけのお庭。 誰にも見せてあげないのです、 ひとりで楽しむ秘密のお庭。

水回りにはどこかレトロな 赤いタイルが並びます。 かわいい、りんごみたいな色。 オレンジとか、グリーンとか、 華やかな色のキッチン道具を 赤に添えてもすてきかも。

トイレとバスタブ、 洗面台は同じ空間ですが、 スペースが広いので 窮屈さは感じません。 クリアの洗面台のおかげで、 圧迫感が消えているのかな。

場所は東京「恵比寿駅」。 6月末までのご成約に限り、 もともと320,000円の賃料が 270,000円に変更されています。 下がってはいるものの、 まぁ、なかなかのお家賃ですが…

この窓が醸し出す やわらかい空気感ごと いただけるのであれば、 納得のお家賃かもしれません。

この窓があるだけで、 この窓があるからこそ、 お部屋が完成されている。 それほどに、魅力的だと思うのです。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana