二間続きの和室や 独立したダイニングスペース、 板張りの壁に玉石タイルのお風呂。 このお家を構成するひとつひとつは、 夏休みやお正月に 楽しい時間を過ごした おばあちゃんちを 思い出させてくれるよう。

4DKのこのお家は なんと3部屋が和室。 い草の香りが恋しいな、とか なんだかんだで和室最高だよな、とか おぉキッチンはそうきたか、とか 見ごたえのあるお家なのです。

親子扉から 光が差し込む玄関では 早速、趣を感じる下駄箱が お出迎え。

玄関を入って 写真右手が和室、 左手がキッチン兼ダイニングスペース。 玄関ホールの広さも 昔ながらの戸建てならではです。

まずは和室を見てみましょう。 ほらほら、この景色は 最近の住宅では なかなかお目にかかれません。

人が集まる時は 扉を外せば大広間にもなりますよ。

お隣には 板の間というには大きい、 サンルームのようなスペースも。 畳の上には置きたくない 大物家具も置けて便利そう。

こっちの和室はかわいい系、

こっちの和室は渋い系。 お隣同士なのに、襖の柄が違うのも 遊び心があっていい…！

そしてこちらがキッチンです。 ちょっと意外な雰囲気じゃないですか？ アーチの窓にステンドグラス、 なんて素敵なお家のシンボル。

外壁でよく見る色味のタイルですが、 この窓とならば 室内でも絶妙にマッチします。

基本は和室でごはんでも お外に見えるグリーンが清々しくて 朝だけはここでパンとコーヒー、 なんてのもいいなぁと思うのです。

そしてこの圧巻の収納！ 上のスペースには お気に入りの食器たちを 余裕をもってお店のようにディスプレイ、 残りは全部下に隠しちゃえ、と 大胆な計画でも すっぽり包み込んでくれるキャパシティ。

他の水回りはと言うと… 洗面台はスタイリッシュに アップデートされています。 黒いカウンターに カクカクっとした洗面ボウル、かっこいい。

だけどお風呂は 玉石タイルにステンレスの浴槽。 裏切らない装いです。 おばあちゃんちのお風呂、 自分ちよりもめちゃくちゃ熱かったなぁ、 なんて思い出しながら 時々熱めに沸かしたりしたら 家族に怒られてしまうかな。

2階には、この家唯一の洋室が。 このお部屋、 床から、壁から、天井から、 昭和の香りが漂って 和室よりも、さらにノスタルジックかも…。 レコードプレーヤーを置いて 革張りの椅子や絨毯でコーディネートしたい。

こちらのお部屋から バルコニーに出ることもできますよ。

最近のお家では使われなくなってしまった 繊細で趣のある 木戸や曇りガラス。

開閉するたびガラガラとなる雨戸や 庭に植えられた金柑の木。

そこかしこに、 田舎のおばあちゃんちみたいな 昔懐かしい風合いを残しながらも 丁寧に、愛されながら アップデートされてきたのがわかります。

あ、大事なことをもう1つ。 こちらのお家、ペット相談可だそう。 うん、きっとこのお庭には お手製の犬小屋なんかもよく似合う。

大切に残されてきた日本家屋、 次は私にお任せください！と 心からの愛情を持って手を挙げてくれる人と 出会ってほしいなぁと 勝手ながら思うのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。