玄関を入るなり クラクラするぐらいの 強いインパクト。

まず目に入るのは 廊下の情熱的な赤い壁と 檻のような大きな格子です。

檻の中の壁は 廊下とは対照的に 一気にシックなネイビー。 この空間、まさに 「冷静と情熱のあいだ」って感じ。

一見シンプルな1LDKなのに 間取り図からは 到底想像もつかないような 大胆な内装。 これだから、お部屋探しはおもしろいのです。

リビングの壁もネイビー。 赤とネイビーの壁を隔てる 真っ白なキッチンは 異空間のように引き立ちます。

スポットライトの光は 夜になったらより一層、 この空間をドラマチックに してくれるんだろな。

お料理が捗りそうな シンプルで機能的なキッチン。 このカウンターには ちょっぴり近未来的なイメージで シルバーのスツールとかが 似合うんじゃないかしら。

赤みがかったフローリングも ネイビーの壁と 絶妙に好相性ではないですか。 部屋の凹凸は リビングゾーンとダイニングゾーンを 程よく隔ててくれています。

格子越しにリビングを見た時の 表情の変化も面白い。 壁でもない、ドアでもない、 格子という個性を 引き立たせる部屋づくりは なんだか腕が試されている気分。

ここはやっぱり 寝室にするのがしっくりきそう。 檻の中で過ごす気分なんていうのは 味わったことはないけれど 思いのほか 落ち着くんじゃないだろうか、と思うのです。

格子部屋の奥は ウォークインクローゼット。 シンプルな造りなので 自分の持ち物に合った空間を 構築してゆけます。

この洗面台の個性にも ぐっとくるものがあります。 全体がホワイトでまとまっているのに ひときわ目を引く存在です。 収納とかの機能面を省いた 振り切った形状が愛おしい。

お風呂はゆったりサイズ。 各々が強い個性を放つこのお部屋の中で このシンプルさにほっとします。

甲子園口駅から徒歩3分。 閑静な住宅街に佇むこちらのマンション。 このスッキリとした外観が 室内の個性を一段と引き立たせてくれています。

壁の色のコントラストと 格子のインパクト。 一歩足を踏み入れたら その他にはない魅力に 囚われてしまいそうになるのです。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。