ヴィンテージマンション好きなら
一度は目にしたことがあるかもしれません。
この、凛々しい佇まいの、マンション。
その名も、コープオリンピア。
カクカクと鋭いフォルム、
ずらりと並ぶ四角い窓。
レトロな味わいあるロゴと相まって
ある種とてもフォトジェニック。
私もインスタで写真を漁って眺め、
かっこいいわぁ…と
うっとりしたことがあります。

東京オリンピックが開催された翌年、
1965年に竣工されたので
「オリンピア」と名付けられたのだとか。
原宿駅や明治神宮の
目と鼻の先という一等地で
元祖億ションなる高級マンション、
著名人らが住んだり
事務所として
使われたりもしていたようですよ。
一体どんな部屋なのか…！？
非常に気になるところですよね。

おおお…、共用部の廊下は
赤い絨毯が敷かれ
老舗ホテルのような、
外国映画のワンシーンにでも
出てきそうな雰囲気です。
すずらん型のランプもかわいい。

部屋のタイプは色々あり
今回ご紹介するのは7、８階の
メゾネットタイプ。
しかも、なんだか形も不思議…！

わ、渋みと可愛さが絶妙に同居してる。
入り口をアーチにしてくれて、正解。

広々、20畳のリビング。
こうして見ると、
地味に思えるのだけれど

アーチのおかげで、ほらね。
あ、まる、さんかく、しかくも揃ってる。

カクカクした窓辺がふたつ分のリビング。

なんと、窓の外に見えるのは
代々木競技場ではないですか！

右側を向けば
代々木公園、明治神宮のこんもりした森。
自分が東京のここにいる、という現実に
酔ってしまいそうだ…。

独立したキッチンは
なんとも使いやすそうな広さに
４くちコンロ、オーブンもビルドイン！
食洗機もついているそうですよ。

トイレは上下階にそれぞれあります。
紺色の四角い便座がちょっと
時代を感じさせますが
汚れが目立ちにくそうです。

さて、上のお部屋へ。
半分ガラスのおかげで暗くないのが嬉しい。
ベージュとグレーの組み合わせ、
こうして見るとシックでおしゃれだな。

ピンクのタイルに
まぁるい鏡がレトロファンシー。
隣にあるトイレも

下と同じくちょっぴりレトロではありますが
ばっちりウォシュレット付き。

トイレの前には
わりと広めな洗濯機置き場。

お風呂もお揃いの紺色です。
コンパクトながらも
堅実さみたいなのが滲み出ている。

15畳もある洋室、
一面窓はやっぱりいいな。

もうひとつの部屋も
とても落ち着いた色味と雰囲気で
統一されていて

ともすれば浮き立ちそうな自分を
そっと鎮めてくれそうな。
それにしてもすごいな、
目の前に競技場のあの屋根って。

こちらはDIY可能な物件なので
改装可能な範囲や
現状復帰については応相談です。

「表参道に住んでます」って
一度、言ってみたいな。
東京オリンピックの後、
移ろい、激変してゆく街の景色を
何十年も眺めてきたこのマンション。
今、この大きな窓辺から見下ろす街並みは
どんななんだろう。
5７年前のオリンピックに思いを馳せながら
この部屋で、画面越しに眺める
次の東京オリンピックはどんなだろな…
ふと、思ったりするのでした。

最後にもう一度、外観を。
いやぁ、かっこいいです。
キラキラはしていないけれど
信頼に値するどっしりした風格、落ち着き。
中を見て、その印象は
更に強くなったのでありました。