町家の凛としたスケルトン。
今は静謐を湛えていますが
いつかまた、
人々の笑い声や生活音で
あふれるんでしょうね。

そこらじゅうに残る
かつての面影を愛でながら、
当時どんなお家だったのか
これからどんなお家になりそうか
想像力を働かせてみます。

いろいろむき出しではありますが、
わかりますか、
天井の高さ。

昭和初期の町家で
よく見られた構造だそう。
吹き抜けの火袋の下に土間。
通路のタイルは
かつて台所があった証。
あかるくて風が通り抜ける場所。

玄関入ってすぐに
洋間があって、
台所がある通路の先に和室。
2階は板の間になっているみたい。
お花が植えられそうな
アプローチと庭があって
うれしいですね。

天井の寄棟屋根のカタチ、
新しい姿になっても
生かしてもらえたらなぁ。
町家に洋風を取り入れた
和洋折衷の趣。
洒落た雰囲気を
つくってくれそうです。

一方、和室には
こんなふうに花を一輪。
やっぱり客間がいいのかな。
お庭も見渡せるみたいだし。

そうすると
二階は寝室や
気兼ねなくダラダラできる
自分にやさしい部屋をつくり上げたい。

わ、これは寛げそうな大空間。
構造が丸見えの天井を
ほほお…としげしげ見つめています。

ここは元押入れだろうか。
オープンクローゼットに
してみるとか
このくぼみを利用して
デスクをつくるっていうのも
わくわくしませんか。

大きな開口、しかも二面採光。
風がする〜っと
通り抜けられる仕組み。

こんなふうに景色を眺めながら
「そろそろアプローチの
プランターに
花の種でも植えたいな」なんて
ぼんやりするのも
よさそうです。

家屋評価調書によると
昭和12年築なのだそうです。
場所は京都、
JR円町駅の南口からすぐの好立地。
京都の中心地へはもちろん
大阪や滋賀へのアクセスも便利そう。

外観もなんとも愛らしい。
小さくて、上品で。
深い味わいのある
和洋折衷の町家。
どんな変身を遂げるのか
まだ誰も知りません。