突然、福岡に転勤になった。 全国転勤OKって伝えてたから 問題はない。 いいんですよ、 独身だし、身軽だし。

でも、いきなり、 本州から飛び出すのか。 知らない土地で暮らすって ワクワクするけど 少しだけ怖い。

いつも前向き元気が 私のとりえ。 だけど初めての土地に1人だと 寂しくなったり落ち込んだりも してしまうかも。 そんな時も、ぐっと気持ちを 引き上げてくれる部屋がよくて 「明るい感じの部屋、ありますか」 って不動産屋さんに聞いたんだ。

不動産屋さんは ざっくりとした私の要望を きちんと汲み取ってくれた。 シンプルなワンルームは 細かなディテールを含め 全部が私に丁度よくはまった。

真っ白の壁が気持ちいい。 無垢の床の優しい肌触りは 仕事に疲れた私を いつでも癒してくれるに違いない。

2面に窓があって 光も風も気持ちよく通りそう。

お隣さんはちょっぴり近いけど 目線をずらせば 視界が広がるし 周りに人の気配があるほうが なんとなく安心するんだ。

部屋の凹みが オープン収納になっていた。 目隠しカーテン用の ポールも付いてる お気に入りの布を買って 掛けるのが楽しみ。 季節ごとに替えるのもいいかも。

1人暮らしは体が資本。 自炊にはこだわりがあるので キッチンは2くちコンロが 絶対条件だった。

真っ白のコンロと ワークトップは 毎日綺麗にしてねって 訴えてくるみたい。 はい、仰せのままに。

洗濯機置き場はキッチンの横に。 上に吊り戸があるから 洗剤とかのストックはここへ。 小さな脚立が1個あると 便利かな。

洗面台は 洗濯機置き場の向かい側に ひっそりと佇んでいた。 私的に、この部屋1番の チャームポイント。 薄いグレーのタイルと 木枠の鏡に、まあるい洗面ボウル。 こんな可愛い姿を 壁の裏に隠している その慎み深さが愛おしい…！ 毎日清潔なタオルを 掛けてあげるからね。

シャワールームは なんと玄関入って正面に。 せっかち派の私の心が 読まれているのかな？ 家に帰ったら すぐにシャワーを浴びたいし お風呂にゆっくり浸かるより さっさと済ませて晩酌したい。 そんな私にぴったりすぎるぞ。

トイレには 揃いのデザインの タオル掛けとペーパーホルダー。 無塗装の木×ホワイトってのが 好みにどんぴしゃ。 部屋のインテリアも こんなイメージで行こう。

玄関には備え付けの姿見が。 大きな鏡って 意外と置く場所に困るから とっても助かる。 それに、最後は 靴まで履いて 全身チェックしたいしね。

お、部屋干し用のポールまで 備えられているとは。 ありがとう、君は 1人暮らし女子の強い味方だ。

土地勘はないけど 歩いて5分程の場所に 川が流れる 大きな公園があると知って これさえあれば あとは何でもいいか、と思えた。 ゆらゆら流れる川をみると 癒されるし 趣味のランニングも 捗りそう。

更に、バスと徒歩で10分ちょっとで、 温泉施設まであるらしい。 せっかち派の私だって 時にはゆっくり 湯舟に浸かりたくなる。 休日のリフレッシュには もってこいだ。

この新天地で しばらくはよそ者のように 緊張しながら 日々を過ごすのだろう。

だけど、そんな私に そっと寄り添ってくれるような この明るく可愛らしい部屋の中でなら いつもと変わらない 自分らしい毎日を 過ごせる気がするのだ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。