お互い長く暮らした実家を出て 初めてのふたり暮らし。 それぞれが同じ位しっくり来る部屋なんて どこにもないんじゃないかと思ったけど 妥協しないで探してよかったね。

「ワンルームでもいいじゃん」 と、どんな場所でも熟睡できる 彼は言っていたけれど 物音に敏感な私は 絶対に寝室が欲しかった。 1LDKは絶対条件。 こんな風に、1部屋が 独立していれば完璧だ。

新たに買うものを試算して その数と金額に辟易していた彼。 この作り付けの棚に 「テレビ台を買わなくてよくなった」と とてもテンションが上がっていた。 実は、私も。 それに、ナチュラルな木目が 部屋に馴染んで素敵だし。

1番のお気に入りはこのキッチン。 棚とお揃いの木目に ホーローのシンクとステンレスのコンロ。 それに、どことなく井戸のポンプみたいな 水栓金具がとっても好み。 彼が、「このタイルがいいね」と 言っていたのが意外で そういうセンスがあったのね、と少し驚いた。

服が大好きな私にとっては このクローゼットが影の主役だ。 ハンガーパイプが付いていて 奥行きも十分、さらに枕棚まで付いている。 このキャパがあれば安心。 というか、ここに入る量を上限にしておこう。

洋室は程よいサイズ感。 ダブルベッドにするか シングル2つにするか迷うところ。 眠い朝もカーテンを開けて 光を浴びれば目が覚めるかな。

トイレもお風呂も、 アクセントカラーがブラウンで統一されて 落ち着いた雰囲気だ。 洗面台が浴室にあるタイプだけど 私たちは朝の支度の時間が被らないので 問題なし。 実は掃除が苦手なので まとまっていて、かえって助かった。

ちらりと見える、 洋室の入口の壁はアクセントクロス。 こういう、さりげないおしゃれが 心地いいんだよね。

玄関には大きめの可動棚。 2人分の靴は余裕で置けそうだ。 「汚れたスニーカーなんて置かないでよ」と 彼に言ったら無言だったけど…。

休みの日は 2人でじゃぶじゃぶ靴を洗って 広いベランダに干したりしよう。 日当たりも良くてすぐ乾きそう。

ちょっぴりレトロなこの外観が 最後の決め手になった。 2人で帰ってくるなら こんな家が落ち着くねって。

そして、そこの波長が合うのなら これから始まる毎日を 肩肘はらずに 楽しく一緒に過ごせそうだと こっそり思ったのだ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。