しんと時が止まったような、 どこか懐かしい雰囲気が しっとりと漂う戸建て。 もともとは骨董店が 入っていた2階建ての物件が、 新しく店子さまを募集しています。

1階が店舗スペース、 2階が住居スペース。 どんなお店が似合うかなぁ。 飲食は不可らしいので、 そのほかで「あぁぴったりだ！」 と思うものを見つけたいです。

店舗スペースにある棚は 原則現況のままで 利用してほしいとのことなので、 棚ありきで考えたほうがいいかな。 例えばアンティークな時計、 例えばガラス細工に和小物。

歴史が詰まった建物の木々に しっくりくるものはなにかなぁと、 あれこれ想像するだけで 楽しい気持ちになりますね。

はぁ、この色合い。 じっくり時を刻んできたからこそ 醸し出される威厳と品が、 じわじわと伝わってきます。

なんとなくで選んだものは、 この棚にはきっと 似合わないでしょうね。 大切に、丁寧に、 ひとつひとつ選んだものを そっと並べていきたい。

ちょっとした洗い物をする シンクは1階にもあるので、 お客さまを待ちながら 休憩がてらお茶をいっぱい、 ということもできそうですよ。

コンロを設置したい場合は 店舗内の工事が必要だそうで、 火を使いたい方は要確認です。 電気ケトルがあると安心かな。

階段をトントンとあがると、 2階には住居スペース。 6帖の和室に押入れ、 もちろんバストイレに キッチンもありますよ。

午前中の営業が ひと段落したら、 「午後は〇時からです」の 看板を扉にかけて お昼休憩を取りに2階へ。

すべすべの畳に ふぅと腰を下ろして、 窓の外を見ながら おにぎりをぱくついたり 甘いもので癒されたり。 いいなぁ、そんな生活。

キッチンはコンパクトながら、 おひとり暮らしであれば 困らなそうな頼もしさです。 2くちのガスコンロに、 魚焼きグリルもついて。

ここでじりじり焼いて 和室で食べる魚の干物、 想像するとおいしそうで ぐぅとお腹が鳴っちゃいそう。

お風呂はチャイみたいな あわい色のタイルがかわいい。 窓もついているから、 日の光を感じながら お昼からひとっぷろ！も たまにはいいんじゃないかな。

トイレはなんだか、 グッと重厚感があります…。 ツヤツヤのブラックにも見えるし、 落ち着いたグリーンにも見える。 なかなか珍しいカラーです。 さりげなくついた棚もうれしい。

場所は神奈川県「北鎌倉駅」。 自分だけのお店をやるって、 大変なこともつらいことも たくさんあるでしょうけれど…。 きっとそれ以上の楽しさや 豊かさがあるのでしょうね。 お店を持った方にしかわからない、 やっててよかったの気持ち。

自分が大切に選んだ、 もしくは作った物たちが、 手から手へ渡っていく感動。 きっとたまらないんだろうなぁと、 勝手に想像してしまいます。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana