全てが完璧に揃っている部屋より 自分にとって こだわりたい部分と 削ぎ落してもいいかなって部分が 程よく溶け合った部屋に 愛おしさを感じるのです。

そのバランスが絶妙なのが こちらのお部屋。 浴槽はなくてシャワールーム。 でもいつもシャワーで済ませてるから 全然OK。 おや、洗面台もないのかな。 窓際にはベッドスペースが ポコッと飛び出している。

そうそう、設備よりもこだわりの内装が 私が家に求めるものなのだ。 床は憧れのヘリンボーン。 グースネックの水栓がアクセントの 木製のキッチンもお気に入り。 鏡が付いているから ここが洗面台も兼ねているみたい。

壁に吊り下げられた鏡が なんとも愛らしい。 キッチンの下はぽっかりと空いていて 抜け感があるので リビングによく馴染む。

この照明が、かわいすぎて…！ これだけで部屋の決め手に なり得るって言ったら、大げさかな。 ぽとりぽとりと天井から下がる電球と 真鍮と木の組み合わせ、大好物です。

間取り図でベッドが置かれていた 窓際のコーナーはこちら。 インナーテラスのような タイル張りの空間は ベッドを置くのもいいけど ローテーブルに アウトドア仕様のベンチを組み合わせて お家カフェコーナーってのも 捨てがたい。

壁や扉じゃなく、質感の違う床材で ゆるりと区切られているのは なんだかひとり暮らしに ちょうどいいメリハリ感。

脱衣所も兼ねられたトイレは 意外なほど奥行きがある。 棚もあるから タオルとかのバスグッズも ここに並べられるな。 タオル掛けとペーパーホルダーが 揃いの真鍮なのも素敵。

キッチンの上には 照明の配線隠しも兼ねた棚が。 部屋の中央には可動棚、 シャワールーム裏には オープンクローゼットがあって 見せる収納が充実。 揃いのバスケットとかを 沢山並べてスッキリまとめよう。

玄関にも大きめの可動棚が。 なんだか靴を並べるだけでは もったいないぐらいのキャパがある。 クローゼットがコンパクトな分 バッグとかの定位置を ここにするのもいいかも。

設備はミニマルでも むき出しの天井とか ぽわんと浮かぶまあるい照明、 こだわりの床材なんかの ディテールの充実度に心が躍るのが 今の自分なのだと、改めて気付く。

盛りだくさんの部屋よりも ちょうどよく引き算された部屋で ごきげんな毎日を過ごしたい。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。