「子どもも生まれたし、 いつかは引っ越さなきゃね」 なんて言っていたけど その“いつか”は案外早くやってきた。

子どもが小さい今も 子どもが大きくなった近い将来も また夫婦2人で暮らすかもしれない 少し先の未来も 絶対楽しく暮らせるだろうと 確信できる家に出会ってしまったから。

広い20畳のLDKに、 その存在だけで心躍る魅惑のロフト、 これでもかという程の 「バルコニー」の文字。 それに、FREE ROOMって何だろうって 間取り図だけで胸が高鳴る。

LDKはL字になっていて リビングとダイニングを ゆるやかにゾーニングしてくれる。 出窓には飾り棚が設えられている。 ここにガラスの花瓶を並べて 窓から光が差し込む度に 床でキラキラ揺れる影を眺めよう。

ステンレスが鈍く輝く大きなキッチンが この家の決め手といっても過言ではない。 空間を仕切るように置かれた 大きな収納兼カウンターも頼りになる。 休みの日にはみんなで、 手作りピザをこねたりしたいな。

左にちらりと見えるルーバー扉の奥は 洗濯機置き場みたい。

大きなオーブンが備え付けられているし 正面には飾り棚もあって 調味料をずらりと並べられそう。 作ったことのない料理にも チャレンジしたくなっちゃう。

LDKをこうして眺めると ホワイトオークの床やレッドシダーの壁、 キッチンのグレーのタイルなんかが 一目で見渡せて、 好きなものが詰まった空間に 幸せなため息がもれてしまう。

玄関を入って右へ進むと そう、ここが例のフリースペース。 来客時、リビングが壊滅的な状態の時も 救世主になってくれそうだ。 小さなテーブルセットを置いて この空間だけは 意地でも綺麗に保つのだ。

4.5畳の洋室は チェッカーガラスがはめ込まれた 真っ白のドアが目印。

このお家、個室は全て サイザル麻のカーペットが敷かれていて ザラリとした感触が 無垢のフローリングと甲乙つけ難い 気持ちよさなのだ。

7畳の洋室もほらね、 カーペット敷き。 ここが私たち夫婦の寝室になるだろうか。 大きくなった子どもに取られてしまうかな。

サニタリースペースは ギュギュっと玄関正面にまとまっている。

この洗面台の佇まいがたまらない。 特に水栓金具のチョイスが素敵。 陶器のソープディッシュに固形石鹸が よく似合いそうだ。

トイレにも小さな手洗いが付いていて この手洗いカウンターの下に タオル掛けやペーパーホルダーも さりげなく隠されている。 スッキリまとまっていい感じ。

お風呂は広々としてシンプル。 シャワーの位置は自在に変えられて これが思いのほか快適。

玄関の壁にはさりげなく ハンガーポールが設えられている。 こんな風にスワッグを下げたり お気に入りの帽子の定位置にしたり 使い勝手がよくてうれしい。

ロフトへの階段は 途中で折れ曲がり 全容が見えないことで ワクワク感を高めてくれる。

ロフトと呼ぶには贅沢すぎる程 天井の高いこの空間。 三角屋根にカウンター付きなんて 大人も子どもも大喜び。 今はまだ私たちのワークスペース。 近いうちに子どもたちの 秘密基地になるんだろうな。

北側のバルコニーからは 輝く緑の木々が、 そしてルーフバルコニーからは 晴れると彼方に水平線が見える。

この景色を見ながら 家族でお家ピクニックをしたり 友だちを呼んでパーティしたり。 お気に入りのキッチンで作った お料理を並べて 大きなバケツで豪快に ビールやワインを冷やしてね。

この部屋へは 8階までエレベーターで昇ってきて

この通路を渡って 10階まで階段を登るとたどり着く。

不便に感じる人もいるかもしれないけれど この、秘密の小径を通っていくような特別感が 私たちを何度でもときめかせる。

そして、家で過ごすメンバーが その時どきで変わってゆくのを 喜んだり寂しがったりしながら 色々な楽しみ方を見つけていくのだ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。