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芸妓さんが暮らしてたおうちに住む彼女

京都の四条大橋と五条大橋の間あたり。

鴨川のほとりにある花街の 石畳をカラコロと歩く。

鴨川から一分ほど歩いた先の、一軒家。
ガラガラと玄関を開け
さらにすりガラスの引き戸を開ける。
ざらざらしたガラス越しに 橙色の灯りが漏れてる。
卒業しても付かず離れず 一緒にいる女友達。
彼女が引っ越したこの家は 以前は芸妓さんが住んでいたらしい。
明治時代に建てられた 100歳をゆうに超えるこの家。
なんだか田舎のおばあちゃんちに来たみたいな 包容力のあるおうち。

古いもの好きな彼女にぴったりのおうち。

今日はお正月に買い込んだ お餅を消費したいから 餅パーティーをしようと誘われた。
キッチンは 2人で立っても余裕の広さ。

芸妓さんは忙しくて自炊をする暇もないから、 休日は仲間と集まって料理を作る人もいるらしい。 以前なにかの番組で見た。

芸妓さんって遠い世界の人のようだけど 友達と過ごす楽しそうな様子を見て そこは一緒だ、と親近感を覚えた。

私たちはというと、 お餅パーティーのために、 チーズ、海苔、醤油、小豆。 思いつく限りのトッピングを揃えた。

お揚げに入れてみたり、グラタンにしてみたり。 甘い、しょっぱい、を行ったり来たり。

お腹いっぱい、 もう帰るのめんどくさいでしょ、 泊まってきなよ、 が月末金曜日のお決まりパターン。
2階の収納の一角にいつの間にか 私のコーナーができていて 布団と、化粧水、乳液、 あとコンタクトの予備が置いてある。
ずっと一緒にいるのに なぜかいつも話題が尽きない私たち。
何回もお泊まりしてるのに、 布団を並べると修学旅行に来たみたいな気分になる。
テレビで見たあの芸妓さんたちも お泊まりだ!ってハシャぐ日があるのかな。
はい消灯です、 と引率の先生みたいに言って パチリと灯りを消す彼女。

どうせ二人して昼過ぎまで寝ちゃうんだろうな。

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

トダビューハイツ 想像建築

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