長いこと、ぎゅうぎゅうと狭い部屋に 2人で暮らしていた私たち。 このお家に住み始めてからというもの 今まで適当に済ませてきたことも どんどんこだわりたくなっている。

1SLDKの表記だけど 十分な広さに、トイレは2か所。 間取りを見た時は これはちょっと広すぎかしら…と 怖気づいたけど 室内を見たら、もう引っ越したくて うずうずしてしまった。

この広い土間を見て 思い切ってロードバイクを買った。 お互い、憧れていたメーカーのものを。 今までは自転車置き場は外にあって 「盗まれたらたまったもんじゃない」 なんて言って手を出せずにいたけれど ここなら自転車2台余裕で置ける。

サイクリングの時の上着は ここのハンガーパイプに掛けておこう。 ピンクの壁にくっついている鏡で お出かけ前の最終チェックも忘れずに。

1階にあるウォークインクローゼットは 贅沢すぎる広さ。 衣替えもしなくていいくらいだ。 服を買ってはクローゼットから溢れて ちくちく言われていたけれど これならちょっと増えてもばれないかも。

その奥のスペースは 趣味部屋になりそうだ。 自転車のメンテナンスもここ。 クッションフロアだから 少しの汚れはすぐに落とせる。

インスタントで十分って言ってた彼が コーヒー豆に急にこだわるようになった。 だってこんなシックなベンチで飲むのは 苦くて深いコーヒーが似合うからって。 奥の棚には文庫本がびっしり。 あぁ、電子書籍もやめたのね。 ずらりと並ぶ背表紙を眺めるのは 幸せな時間だものね。

2人でキッチンに立つ日も増えた。 だって、2人で作業しなさいと 言わんばかりの形だから。 作業台も広々だし。 ボーダータイルがかわいくて 料理の後の掃除も欠かさなくなった。

念願の食器集めも始めた。 今まではキッチンが小さくて お皿も集められなくて いつもむりやりワンプレート。 でもこの食器棚があれば 無限にお皿が入りそう。 大小さまざまなお皿が並ぶ食卓を 楽しめる日も遠くない。

食器棚の前に小さなダイニングを置いて ベンチの方はあえて家具は置かずに お気に入りにラグをさらりと敷こう。

大きな収納もあるから ここに何でも入れちゃえばいいし。

3階の洋室は寝室に。 大きなベッドをどーんと1つ。

カウンターもあるので 昼間はワーキングスペースに変身する。 横長のカウンターは 2人並んでも十分な広さだし なんならすみっこに鏡を置いて ドレッサースペースだって作れる。

眠れない夜や 仕事に行き詰まった時は パティオに出て気分転換。 休みの日には ここでブランチをしようね。 時々は、昼からワインを飲んでもいいかな。

レトロなブラケットライトで 夜もいい雰囲気だ。

水回りも3階にまとまっている。 洗濯機置き場とパティオの動線が最高だ。 3階建てでここが遠いと大変だからね…。 洗面台の正面は窓だ。 鏡が横だと不便かなぁとも思ったけど 寝起きに絶対日光を浴びられるなんて 贅沢じゃないか。

見どころの多いお家だけど 隠れた名スポットがこのお風呂。 なんと2面採光なのだ。 まず入って正面に大きな窓が。

そして入り口側にも木枠の窓がついていて こちらからはパティオが覗ける。 外から丸見えでも自分の家なんだから 別にいいかと思いながら 長いバスタイムを楽しむんだ。

3階のトイレはタンクレスですっきり。 あぁ、水回り全部に 窓がついているのって とても嬉しいものだなと思う。

あ、1階のトイレには窓はないんだった。 その代わりといってはなんですが ペーパーホルダーが不思議な並びで 2つついていますよ。 階段下で落ち着く感じ。

このモノトーンの箱の中には 外観だけでは想像できないような ピンクやタイルの壁や 木のカウンター、 それに革張りのベンチ… 色んな要素が詰まっている。

そんなキラキラした要素が 私たちをますます こだわり屋さんにさせるのだ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。