自分が住んでいるところを 目を閉じて想像したら、 あ、いいなって思った。 この家で暮らす自分は、 きっと穏やかに 笑っていそうだなって。

物件はこの鳥居の向こう。 神さまに守られているようで、 それだけで胸がホクホク。 視界の先に広がる 豊かな自然にも、 期待感が高まります。

この道を歩くたびに、 深呼吸したくなっちゃうな。 濃い緑のにおいを たっぷり体に取り込みながら、 テクテクと道を進む。 階段をのぼると、 物件が見えてきますよ。

パッと鮮やかな 赤い外壁が目印です。 さわやかな白い壁との コントラストがきれいだな。

お家の前では、 ちょっとした土いじりも できるそうですよ。 小さな花壇を作ったり、 ハーブを育ててもいいなぁ。

花の水やりが 毎朝の日課になれば、 日々も豊かになりそうです。 無理のない範囲で キュンとするスペースを作って、 かわいいねぇすてきだねぇって たくさん愛でてあげたい。

少し傾斜はありますが、 小さなお庭もありますよ。 トマトやキュウリ、 オクラにイチゴ。 控えめな家庭菜園に チャレンジするのもいいな。

すでにじんわりと 満足感がありますが、 そろそろ中も見てみようかな。 清潔感のあるホワイトの 玄関をかちゃりと開けると…

あら！こちら側は なんとも味のあるお姿。 あたたかみのある色合いで、 不思議と懐かしい気持ちに。

物件は二階建て。 1階は洋室がふたつ、 2階は、わぁ～…。 11.4帖の広々した リビングがどーんと！ ぐるりと部屋を囲む 長いベランダもいいな。

どこから見ていきましょう？ 迷っちゃうけど、 順番に1階からにしようかな。

こちらは1階の 5.5帖の洋室です。 適度なこじんまり感で、 寝室にぴったりじゃないかな。

ふかふかのダブルベッドと、 棚をひとつだけポンと。 余計なものは置かないで、 ただゆっくり寝る場所にしたい。

だって、窓の外が こんなに美しいから。 この景色があれば、 もう満足だなぁって。

すくすく元気な木々たちと、 間から見える青空。 自然のエネルギーが、 疲れた心にじゃばじゃばと たまっていくようです。 目が覚めたらまずは カーテンをすべて開けて、 木々たちにおはようを言いたい。

1階の4帖の洋室は、 書斎にするのはどうでしょう。 こっくりしたブラウンの フローリングに合う デスクと椅子を置いて、 木々の揺れる音をBGMに 静かに作業をしてみたり。 最高だなぁ、そんな仕事場。

お仕事道具は木製の 棚の上にずらりと並べて、 いつでも手に取れるように。 大きな窓から入ってくる たっぷりの風に遊ばれないように、 書類はきっちりまとめておこう。

あぁ疲れたと思ったら、 窓の外を見てくださいね。 流れていく雲を見て、 葉のかすれる音を聞いて、 やわらかい風を肌で感じて。 自然を全身で浴びるうちに、 きっと疲れた体も心も ゆっくり回復すると思うな。

それでも集中力が なかなか戻らないときは…

たまには明るいうちから、 優雅なバスタイムなんて いかがでしょうか。 物件がぐるりと木々たちに 囲まれているおかげで、 どこの窓からも緑が見える。

一度頭を空っぽにして お風呂にゆっくり入ったら、 またやる気が戻ってくるかも。

洗面室はなんだかレトロ。 オリジナルの木製建具が いい味を出してますねぇ。 自然たっぷりの家に馴染む、 あわいグリーンのタイルもすてき。

リフォームされたばかりなので、 ピカピカの水回りです。 清潔感があってうれしいな。

鏡を開けたら収納があるのも、 細々したものをすべて 隠せるから助かるんです。 ちょっとくらい中身が 散らばっていても、 見えないから大丈夫だよ。 と、自分に言い聞かせちゃう。

トイレにも窓があるから、 換気には困りません。 まるっこいトイレの形も かわいらしくていいなぁ。

それでは、2階へ。

やわらかな空間を ビシッと引き締めるような、 ブラックのキッチン。 おぉ、かっこいいです。 豊かな自然と合わさることで、 ピリリとしすぎないのがいい。

シンクも調理台も広くて、 コンロは頼もしい3くち！ 前にも横にも窓があって、 光が差し込むのもありがたい。

窓をすべて開け放って、 そよそよと風を感じながら お料理をしてみたいなぁ。

風の入り口と出口ができるから、 きっとスーッと気持ちよく 体を通り抜けていってくれる。 食材を焦がしてしまったときは、 においも一緒に持っていってね。

リビングは、さすが11.4帖…！ なんとも頼もしい広さです。 置きたいなと思った家具は、 ほとんど受け入れてくれそう。

たくさんのカラーが 絶妙に混ざり合った フローリングもすきだなぁ。 色が濃いところ、薄いところ。 一色じゃないからこその、 飽きのこない魅力です。

朝も、昼も、夕方も、夜も。 どの時間帯であっても、 窓の外に見入ってしまいそう。 日常に自然があることで 得られるものは、きっと 数えきれないほどあるのでしょうね。

忙しく過ぎる日々に つい忘れそうになるけれど、 自分が生きている世界が こんなに美しいということを、 頭の片隅に置いておきたいな。 心を育んでくれる景色が、 窓の外にこんなに広がっている。

あぁ、住みたいなぁって、 しみじみ思ったお家でした。 朝起きたら太陽の光を浴びて、 たまに朝シャンしたりして。 居心地のいい書斎で 作業して、本を読んで。 夜には広いリビングで ゆったりと過ごすんです。

「葉っぱが落ちてきたね」 「そろそろ冬だねぇ」って、 窓の外を見ながら ぽつりぽつりと会話してさ。 いいな、そんな生活。 あぁほんとうに、 理想のお家かもしれません。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana