お部屋の中に まぁるいアーチがあるだけで、 気持ちがゆるりとほぐれる。 いろいろ大丈夫だよって、 包み込んでくれそうな やさしさを感じるからでしょうか。

洋室がふたつあるので、 おふたり暮らしにぴったり。 アーチがあるのは リビングの出入り口です。 ゆるやかな曲線を くぐり抜けながら、 「おなかすいたね～」 「ごはんにしよ～」って おだやかな会話をしたいな。

今回のお部屋は、 物件ファンファンさんからの 人気も高い団地のリノベ。 外観と室内のギャップが たまらないですよねぇ。 想像と違う！が詰まっていて、 夢中になってしまいます。

リビングは11.8帖と広々！ 味のある杉無垢ボードに つい見とれてしまいますが、 壁もね、すてきなんです。 遠くから見たらよくある ホワイトのクロスなんですが…

実はホワイトに塗装された コンクリートの壁面！ このザラザラ感に グッと心を掴まれます。

この壁を擬人化するなら、 デニムにシンプルな シャツをサラッと合わせた こなれたおしゃれさんだと思う。 がんばりすぎていないのに、 センスがにじみ出ている感じ。

造作キッチンもすてき！ やわらかな木の風合いと、 それを適度に引き締める 落ち着いたグレーの床。 あちらこちらに見える ブラックの配線もいいですねぇ。

かわいらしい雰囲気に なりそうなキッチンだけど、 周りにあるカラーのおかげで どこかクールなお姿に。 甘すぎないインテリアが 好みの方はうれしいですね。

こちらは4.5帖の洋室。 おっ！と声が出てしまう 大容量の収納がありました。 元々は押し入れだったのかな？ 二段の収納スペース以外に、 天袋もあるのがうれしい。

6帖の洋室はさらに どーんと広い収納が！ わざわざ衣替えをしなくても、 春夏秋冬すべての服を 出しっぱなしにできそうです。 収納を半分にわけて、 右側は春夏のもの、 左側は秋冬のものって。

入口近くにある さりげない棚も助かるな。 並べているだけで なんとなくかっこいい、 背表紙のおしゃれな 本たちを置いておきたい。

洗面台は無駄なものを ごっそりなくした シンプルイズベスト！ 余計な飾りはなくして、 あるがままで勝負です。

欠けた月のような 個性的なタオルラックも、 お部屋の雰囲気に しっくり馴染んでいます。

ひょいと横を見ると、 そこにはなんとも 愛らしい形の扉が…！ 宇宙船みたいです。 うっすら透けた青色が、 船の中から空を 見ている気持ちになる。 扉の向こうは、なんでしょう。

答えは…トイレでした！ 小窓の向こうの青が、 扉からも見えたんですね。 こじんまりした感じが、 ほんとうに宇宙船の中みたい。

そうでしたそうでした、 バルコニーもありますよ。 広さも申し分なくて、 洗濯物がたっぷり干せます。

お部屋の外に出ると、 あちらこちらに団地の味が。 懐かしさと新しさ、 やっぱりどちらもほしいから。 たくさんの人の思い出を 上手に残してくれる団地リノベが、 これからも続いていけばいいな。

共用部も、少しだけ 手が入っているそうですよ。 「1階です！！」と わかりやすく伝えてくれる 「1」の文字は付け足したものかな。 2020年12月現在募集しているのは、 1階と2階と4階のお部屋です。

外観だけ見たら、 まさかやわらかなアーチが お部屋にあるなんて きっと誰も思わない。 中に入った人だけが知る、 驚きや感動やときめき。 そういう特別感も、 団地リノベーションの 魅力のひとつだと思います。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana