ご存知の方も多いでしょう。 神戸の名建築『チャータードビル』。

イギリスのチャータード銀行神戸支店として 1938年に建てられました。

設計者は巨匠・J.Hモーガン。 横浜市山手町のベーリックホールなど 様々な近代名建築を手がけた人です。

言うまでもなく見どころがたくさん。 順番に見ていきましょう。

場所は旧居留地エリアの 近代建築が並ぶ海岸通り。

銀行らしいどっしりと贅沢な造り。

イオニア式列柱と呼ばれる 柱の装飾が豪壮さを際立たせてる。

入り口の三角ペディメントや

メダリオンなど 彫りが深く美しい細工が あちらこちらに。 青銅製の照明装飾も素晴らしい！

今回募集している区画へは 裏口から出入りします。

手前が２・３階、 奥が４・５階へとつながるドア。

まずは２階を目指しましょう。

入った瞬間、ため息出ちゃいますよね。 映画の世界みたい。

コツコツ、とシャーロック・ホームズが 降りてきそう。

1段目がアールになってる。 隅々まで凝ってる。

２階です。 驚きの白さ。

今年まで３階と合わせて ギャラリー・カフェ・古着屋さんが 入居されていました。

間取りで見るとこんな感じ。

もともと応接室だったよう。 扉のデザインにもまた歴史を感じます。

文字も丸ノブも渋い。良い。

モダンな幾何学タイルの床。

トイレまでタイル床が地続きです。

３階へ登っていきます。 階段だけでも絵になるからすごい。

３階も２階と同じく 白い空間と

幾何学タイルの床です。

４階と５階へは エレベーターで行けます。

圧巻の４階！

これぞ、と言う感じの 太い柱で連なる広々空間。 西洋の風が吹いてる！

アーチ、ガラスドア、天井の細工... どこから見たら良いのやら！

レリーフや縁の意匠や 柱の造形がたまらなく美しい。

室内窓までアーチ型...！

スケルトンの部屋もいくつかあり、

立派な洋間もあります。 晩餐会が開かれてそうな雰囲気。 黒い扉に金のドアノブ、かっこいい。

４階の図面はこちら。 もともとは式場として 使われていたようです。

最後、５階に行ってみましょう。

螺旋状に連なる階段の手すりが これまたたまらん！

間取りはこちら。 個室が細かくあります。

４階と似た洋間があり、

暖炉がついています。 この細工も実際にじっくり見てみたい。

別室にも暖炉が。

廊下に出てみます。 似合う照明を付けたら よりクラシックな空間になりそう。

モスグリーンの壁のお部屋や

広々としたお部屋も。

なんとですね 金庫も残ってるんです！

分厚い扉には 独特な取っ手が。

奥のトイレも レトロで心くすぐられるんです。

金色の水栓に丸い洗面。 テッパンのかわいいコンビ。

トイレ扉もヴィンテージデザイン。 タイルと組み合わさることで 雰囲気倍増で良いな〜。

ということで 圧倒される建築でございました。

こういう歴史ある物件が生かされて 次の使い手を待っていることが奇跡。

どうかバトンが繋がりますように。

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

トダビューハイツ 想像建築