窓から光が差し込む お部屋の写真を見た瞬間に、 ゆるりと力が抜ける感覚。 あ、よく眠れそうだな。 そんな予感がじんわりと。

リノベーションされた 1967年築の戸建ては、 懐かしさと新しさが 絶妙な配合で一体化。 味わいを残しつつ、 住みやすさも上手に トッピングされました。

1階はリビングとキッチン、 2階は和室をふたつくっつけて 大きな洋室に変身です。 耐震工事も完了しているそうで、 これからも住む方たちを たっぷり守ってくれるでしょう。

玄関からもうレトロ！ 日本家屋ならではの 土間が静かにお出迎え。

正面を向くと、 廊下の先に洗面台が ちょこんとあります。 なんだかかわいい。 横の扉はなんだろう。

トイレでした！ 懐かしさのある ピンクのタイルがいい感じ。 温水洗浄便座つきで、 使いやすさも加わりました。

なんでしょう、 この「実家に帰ってきた感」。 自分の過去がどうであれ、 イメージの中の実家が 目の前にある感じ。

外でいくら気持ちを 突っ張ったとしても、 ここに帰ってきたら ほろりと心がほぐれそうです。

天井を見上げれば 新しい木材がビシッと。 時間が経つにつれ、 大切に残された部分と しっくり馴染むでしょうね。

このキッチンで作るなら、 カレーや煮物、 豚汁に旬の魚を塩焼きで。 しゃんとしなくてもいい、 家庭料理が似合いそう。

お風呂も1階にありますよ。 懐かしいステンレスの浴槽！ ピンクのタイルに、 高い位置にある小窓もいい。 うれしい追い炊き機能も 新たに追加されました。

昔ながらのお風呂って、 天井がスッと高い気がします。 お湯につかってぼーっと 天井を見上げると、 開放的で気持ちいいんだ。

2階はふたつの和室を 取っ払っただけあって、 どーんと贅沢な広さ。 15帖ほどあるそうですよ。

さらにですね、 天井を豪快に 抜いているので…

見てください、この梁！ はぁ、きれいですねぇ。 長い時を経たからこその、 どっしりとした貫禄。 ぼんやりとした オレンジ色の灯りが さらに味わいを足して、 ずっと見ていられそう。

ごろんと寝転ぶたびに この天井を楽しめるなんて、 なんて贅沢なことでしょう。 がんばらなくても、 とろりと夢の中にいけそうだ。

ベランダは洗濯物を 干すのに十分な広さ。 布団を干してもいいですね。

展望はこんなにのどか。 目の前が開けているので、 圧迫感もありません。

敷地内には中庭も。 いいですねぇ、高い塀。 パジャマでもボサボサ頭でも、 誰の目も気にしなくていい。 風が気持ちのいい夜は、 ここでお風呂上りに 涼んでも気持ちいいだろうな。 湯冷めをしないように、 髪は適度に乾かしてから。

お家は路地の いちばん奥にありますよ。 ひょいひょいと進めば…

白の塗装でおめかしした、 リノベ戸建てがひょっこりと。 つやつやのホワイトで きれいになった姿が、 どこかうれしそうでかわいい。

2階のベランダから 誰かに「おかえり」って 笑顔で言ってもらえたら、 思わず頬がゆるんじゃうなぁ。 たくさんの刺激はなくていいから、 平凡で、平和で、安心で。 そんなゆったりとした日常を、 このお家で過ごしたくなる。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana