ここは映画の世界。 切れ者の探偵さんが住む 心を許された人しか入れないお部屋。

部屋に入れば ソファに寝転がりながら 推理をしている探偵さん。

福岡市の人気エリア 薬院大通に ドシンと構えた レトロなマンションが ありました。

「また電話に出ない！」 なんて言いながら 生真面目な相棒が 階段を駆け上がるんだろう。

5階までは階段でどうぞ。 ちょっと大変だけれど 1段ずつ上りながら ふとひらめいたりするんだな。

古さのなかにも アメリカンビンテージっぽい ドアの色合いとか コンクリートの床とか センスがいいでしょう。

真四角なお部屋に リビングと洋室をひとつずつ。

ワンルームのようにも 使える間取りですね。

玄関からコンクリートの ラフな感じがかっこいい。 シューズボックスは ビルトインで存在感を消して。 広いスペースには ハンガーラックに 黒のロングコートをさらっとかけて 颯爽と出かけるのはいかがでしょう。

9.3帖のリビングは 天井、壁、床すべてに さっくりした風合いの コンクリートを。

計算された色むらや剥がれのある コンクリートに さりげない木の柱や 華奢なアイアンが 絶妙にマッチしています。

天井にはもちろん ブラックのアイアンレール。 ポツンポツンと 控えめに灯るライトに シーリングファン。 クールな雰囲気を演出してくれます。

無骨な空間に ツヤっと光る ネイビーのタイルとか さりげないトグルスイッチとか… 細部に宿るセンスに 脱帽です。

リビングの一角には タイムスリップしたかのような デスクコーナーが。

作り付けの棚には 専門書をずらりと並べて 机の上には アンティークの懐中時計を じゃらっと置いて。 それだけでなんと 絵になる空間でしょう。

それに、このランプ。 付けたらジジジって音がしそうな ヴィンテージ感に 一目惚れです。

リビングの奥に進むと キッチンが。

こちらは 大きめの窓があって 明るい空間です。

デスクと同じ素材で作った 引き出しもいい感じ。

背面にカウンターを置いて テーブル代わりにしても いいんじゃないかな。 カウンターの上には フルーツのかごを置いて ガブッとりんごをかじりながら 推理を始めましょうか。

リビングから1段上がると 見えるのは ブルックリンスタイルの洋室です。

こちらは赤茶色のれんがに ダークな木の床で ちょっぴり温かい雰囲気。

憧れの室内窓がありました！ 本物のレンガに ブラックフレームの室内窓。 映画で観た、あのお部屋みたい。

推理に行き詰まったら レンガの壁に持たれて 瓶ビールを開けよう。 くたびれた白シャツに 伸びてきた口ひげ 「今日も同じ服なんですね」 なんて相棒の小言を かわしながら。

男前な空間には 革張りのソファが似合いそう。 顔に本をバサッと乗っけて 寝転がって 寝ているように見えて推理タイム。

正面の窓には 黒いブラインドが ついているのも 心くすぐるポイントです。

お次は水回りへ。

白い壁に あえてブラックのスイッチを アクセントにして。 細かいところまで 世界観にこだわっています。

アイボリーの扉を開けると 現れたのは 洗濯機置き場と

無駄を削ぎ落とした かっこいい シャワースペース！

忙しい探偵さんですから シャワーはササッと済ませるのが 流儀です。

カーテンレールもついているので ご安心を。

もうひとつの 黒い扉には トイレがありました。

ざっくりとした塗装の 白い壁に こちらはグレーのレンガときました。

タオルハンガーや ペーパーホルダーまで アイアンで仕上げるとは 抜かりないですね。

素材の組み合わせや 絶妙な色合い スイッチやライトのような 細部にまでこだわった世界観。

切れ者で変わり者 冷たいようで 実は情に深い探偵さん。

そんな彼が好きなら 世界観にどっぷり浸かってみるのは いかがでしょう。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。