三ノ宮にある 西洋チックなレンガの路地。

どこかで見たことがある景色と思ったら ビデオテープが擦り切れるまで 繰り返し見た 魔女のあの子が住む街に 似ているんだ。

階段の先に佇む 真っ黒な外観の ギザギザマンション。 並んだ三角頭は どれも形が違うのね。

パッと見たら ごくごく普通のワンルーム。 でもね、このお部屋には とっておきの秘密があるんですって。

お部屋に入って まず目に飛び込んでくるのは 大きな大きな天窓！

たっぷりの陽の光が ほんのり優しく溶かされて お部屋に降り注ぎます。 空と繋がる感じ たまらない。

左手には 大きめサイズのステンレスキッチン。 IHコンロに 無駄のないシンプルなデザインの ワークトップで お部屋全体に抜け感を もたらしてくれます。

収納はパイプハンガーのみなので 腕の見せ所です。

ショップのように 洋服を色ごとに分けて 吊り下げてもいいし 足元にワゴンやカゴなんかを置いて バッグや小物をざっくり 入れてみてもいい。 余白を残した 見せる収納をしてみよう。

左の真っ白な壁を使って ホームシアターを楽しむのは どうだろう。 お部屋を広く見せる ローソファに体を沈めて 映画の世界にどっぷりと。 観るのはやっぱり 魔女のあの子のお話かしら。

さて、このお部屋には とっておきの秘密があるって 言ったでしょう？

このハシゴ 気にならない？

きっとロフトにつながるのね と思ったらどうやら違うみたい。

それにしても、天井が高いこと！ なるほど、あのとんがり三角屋根は こういうことだったんですね。 開放感抜群です。

ハシゴを上ると ちょっとヒヤっとします。 さぁ、振り返ってみて。

この突き抜けるような青空と

三ノ宮のこの景色！

ベランダはこんな感じで 洗濯物を干したり ガーデニングをしたり というような感じではありません。

ただ空と景色を楽しむだけのスペース。 これも贅沢じゃありませんか？

夏には入道雲がもくもく育つのを眺めて 雨が止んで陽が射してきたら 虹が出るかななんて カメラ片手に見に行ったり。

空を眺めていたら ふっと魔女のあの子が パンを配達しているかもね。

そうそう、こちらのお部屋 実はバスタブも素敵なんです。

一体型の水回りの向かいにあるのが こちらの大きな置き型バスタブ！

天井から降り注ぐシャワーも ちょっとレトロで キュートなバスタブのデザインも まるで西洋のホテルみたい。

バルコニーで空を眺めて 体が冷えたなと思ったら この大きなバスタブで 肩までお湯に浸かりましょう。 お気に入りのバスソルトなんて入れたら もう最高。

ちなみに、三ノ宮からは 歩いて15分。 坂道も階段もあるけれど この素敵なロケーションには それだけの価値があると思うんです。

鼻歌を歌いながら レンガの道を歩いてみたり 高台から景色を眺めてみたり 魔女のあの子を探してみたり 寄り道をしながらゆっくり歩く暮らしも 素敵ではないでしょうか。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。