京都・三条駅のすぐ近くに、 ずっと独り占めしていたい空間があって…

細い細い路地を入って ずんずんと進んだその先に、

木の入り口がふわりと現れる。 知っている人しかたどり着けない、 その扉を開けると、

艶っぽい小空間に続いている。 質感あるねずみ色の壁面、 壁にぴっしり沿った備え付けのソファ、 照らしすぎないペンダントライト。

現実からワープするような感覚。 ちょっと大味な表現だけど、 こう言うのが一番しっくりくる。

この暗さが何よりの魅力なのだ。 昼間でもわざと明るくしないで、 そこまで暑くはなくとも冷房つけて 毛布に包まりながら、 しっとりと過ぎていく 一人の時間をたのしむのだ。 あたたかいスープと シナモンロールを食べながら、 映画を観るのも、 本を読んでいるのも好き。 そういうことをしている自分も好き。

空間と自分とが溶けあうのに 絶妙な大きさ、配置。それから静けさ。 奥にちらりと見えるのはキッチン。

ちょこんと折れ曲りがかわいい。 コンロはふたくちあるけれど 生活感を出したくなくて、 あえて凝った料理はしないでおく。

よくある町家と比べたら コンパクトにまとまっているのだけれど、 この小ささが魅力なんですよね。 実は二階部分もある。

比喩ではなく、本当に光の降る階段。 天窓からの光がより愛おしく感じるのは やはり、あの1階の暗さのおかげ。

もう一面、高い位置の窓。 階段降りながら、 ふと外を眺めていたい。

二階には6帖の部屋がひとつ。 デスクの造作に照明までついていて、 能動的に活動するときはここにいる。

階段に続く扉は、 締め切ることもできるけど 外の光を感じるために だいたいは開けたまま。 では左の扉は……？

この隠れ家からは想像できない ウォークインクローゼットに繋がる。 洗濯機置き場はここにあって、 洗うと干すと仕舞うが完結する。

もちろんサニタリーも裏切らない。 小さなコスメショップの 一区画のような無機質さ。 このままの生活感のなさで ずっとずっと、いてほしい。

同じ空間にトイレとシャワーも。 うん、この家にはこれがいい。 他人のことを考えるのは この家ではあまりしない。

インスタグラムに載せても 家なのか店なのかすら 誰にもわからないような部屋で、 今日も自分のためだけのことをする。 そんなお家があってもいいよね。

…と、誰にも教えたくないような ニュアンスでご紹介してきましたが、 明日（！）オープンハウスが 催されるとのことなので 気になる方は見に行ってみてくださいね。 詳細は掲載元の八清さんのページを ごらんくださいね。

2020年9月19日（土） 13:30-18:30 （予約不要・自由内覧会） 詳細はこちら