トントンと積み上げられた ガラスブロックが、 このお部屋の主役です。 ガラスを通すだけで、 光の美しさが 増すような気がします。

とろんとしたやわらかな光。 ブロックの中で トゲをすべて抜かれて、 やさしい部分だけが するんと通されてきたみたい。

外観からもう、 自慢したくなる造り。 もし近所にあったなら、 ついチラチラ見てしまう。 外側からしか見られないのが 悔しいと思うほどに、 このガラスブロックの 虜になることでしょう。 内側から見られていいな、 ちょっとでいいから見てみたい。 そうこっそり願いながら、 このお家の横を通り過ぎる。

だけど今回は 物件紹介だから、 お部屋の中まで見られちゃう。 んんんん、うれしい！ なんて贅沢な楽しみ。

あのお家気になるな、 どんな中身をしてるんだろ。 そのワクワクを解消するように、 じっくり見ていきたいと思います。

ガラスブロックは、 ドーンと広い15帖の洋室に。 キラキラ、ピカピカ。 たっぷりの光を吸い込んで、 とっても気持ちがよさそうです。 天井すれすれまで ブロックは積み上がり、 近くで見たらきっと壮観。

正面から見ると、 ガラスブロックが そっと隠れる造り。 シンプルに見えるでしょう。 これはこれで サラッとしていて 過ごしやすそうだけれど…

やっぱり斜めからが好き。 もう一度、もう一度。 どうぞ近くで見てくださいな。

溶けかけの氷のような、 まろやかな角のブロック。 夕焼けのときは 朱色や黄色やオレンジに、 夜になればこっくりと深い黒に 変化していくのでしょう。 何色にもなれるガラスブロック。 その変化をゆったり眺める、 焦りのない日々を このお部屋で過ごしてみたい。

ガラスブロックの反対側には、 玄関への扉とキッチンが。 すっぽり隠されたキッチン、 ちょっと散らかっていても 目に入りにくいからうれしい…。

食事の後片付けを どうにか先延ばしにしたいときも、 人生の中にはありますから。 パパッとキッチンに追いやって、 ゆっくり映画を観たり 雑誌を読んだりしちゃいましょう。

調理スペースも確保されていて、 使い勝手がよさそうなキッチン。 壁はタイルで仕上げられ、 どこかガラスブロックの余韻を感じる。 汚れが目立たなそうな 暗めのカラーもありがたいな。

洗面台はすっきりシンプル。 パカッと開くところは、 歯ブラシが置けるのかな。 生活感を上手に 目隠しできるデザイン。

お風呂にはちょこんと 小さな窓がひとつ。 やっぱりあると、 おっと反応してしまいます。 お風呂に入って もわもわになった空気を、 パカッと窓を開いて 外に逃がしてあげましょう。

バルコニーには 手すりで隠れる高さに 物干し竿をかけられるので、 防犯面でも安心感があります。 下で元気に育つ緑にも、 パワーをもらえそうな気がする。

ではでは最後に、 しつこいかもしれませんが…

こちらのお写真で さよならさせてくださいませ。 何度見ても美しい。 ゆるゆるとガラスの中で 変わりゆく光が ほんとうにたまりません。

近くにミニテーブルを置いて、 ガラスのコップを用意して。 しゅわしゅわしたサイダーを とととっと注いだら、 ガラスブロックからの 光をたっぷり浴びせたい。 きっと夢のように たくさんの色に輝いて、 うっとりしてしまうと思うんです。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana