まさか僕が、
イカした会社の社長になるなんてね。
はじめは知人と数人で始めた
小さなIT屋さんだった。
今では、多くの従業員を
雇えるようになり
手狭になったオフィスから、
新しい拠点へと移ることになったんだ。

北八王子駅から徒歩で
内見へ向かった時のこと。
初めて物件の外観が
目の前に現れた時は驚いたよ。

ここは地中海の
高級リゾートですか？　ってね。

敷地面積は700㎡以上もあるそう。
地下1階から2階まであるんだ。
以前は高級レストラン&スタジオとして
使われていたらしい。
どうりで大きな駐車場や
座席数の多い
レストランスペースがあるわけだ。
結婚式の披露宴会場として
盛大にパーティが
開かれたりもしてたのかな。
そんな場所で毎日働けるなんて、
ワクワクしかない。

従業員たちは毎朝出勤すると、
独特な形をした螺旋階段を上がって
フロアへ向かう。
まるで生きているかのように
くねくねとした曲線に沿って、
二階へと伸びている木の手すり。
ときおりこの物件が見せてくれる
柔らかく品のある輪郭に心が和むんだよな。

二階フロアは
吹き抜けになっていて
開放的なスペース。
従業員たちは社内なら
どの席で仕事してもいい
フリーアドレス制なんだけど

レストランだったフロアで
チームを組んで仕事をしている人が多い。
気分が上がるかなと思って、
インテリアは
ラグジュアリーな
テーブルとイスを用意した。

ここでみんなで
パソコンを広げて仕事する姿は
なんとも新鮮でおもしろい。

女性従業員には、
大きな鏡がある「鏡の間」も
人気の場所となっている。
休憩時間になると、
ここで恋のお悩み相談や
ガールズトークに花を咲かせたり

食後のティーブレイクは、
中庭でゆったりと過ごす人もいる。
東京で、しかもオフィス内に
緑に囲まれた癒やしの場所。
なかなか味わえないだろう。

ロビーは、天井が高くて
外の景色が見渡せるガラス張り。
こんな雰囲気満点のロビーで、
スーツ姿で名刺交換なんて
どこか堅苦しい。
だからといって、ラフな格好も
せっかくこの華やかな
オブジェには似合わない。
だから大切なお客さまを迎える日は、
僕はいつも決まって
白いタキシードでキメるんだ。

従業員も出勤の服装は自由だけど、
みんなお洒落をして
仕事を楽しんでいる。
社員が毎日イキイキと
働ける会社を作る。
僕の目標、
少しは実現できたのかな。

日が沈んであたりが暗くなり始めると、
シャンデリアが煌々と輝いて
昼間とは違った雰囲気を出してくれる。

調理場へやってきた。
高級レストランの厨房とだけあって、
設備はとっても豪華。
プロの調理人さんにお願いして
和洋中問わずおいしい料理が
いつでも食べられる
贅沢な社員食堂として大活躍。

社員食堂は
この周辺に暮らす
一般の方も食事ができるように
レストランとしてもオープンしている。
リーズナブルに食べられるランチから、
ちょっと豪華な地中海料理のコースまで
多くの方に親しまれる場所として
賑わっている。

僕のお気に入りスポットは
ライトアップされた2階のテラス。
レストランでワイワイ盛り上がったあと、
静かに夜風にあたるのが好きだ。
なんでもない日だけど、
ちょっと良いシャンパンを開けて
戦友たちと会社の未来を語り合う。
大きな夢は、
実現したければ言葉にする。
そうやって僕たちは
夢をカタチにしてきた。

誰も見たことない新しいサービスを
日々創っている僕たち。
最高の仲間たちと共に、
クリエイティブな思考を
お互いに刺激し合えるような、
斬新で魅力的な環境で仕事をする。
それはオフィス選びの際に、
なによりもこだわったところだ。

あとは僕たちの予算次第。
新しいオフィスを借りる上で
そこまで都心である必要はなかった。
正直この広さでこの家賃、
決して安くはないけれど、
この設備、デザイン、環境を考えると
納得のプライスだと感じている。

ここが僕たちにとって
第二章のはじまりの場所となった。