近所からの推薦文
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
生まれ育った町だから、 道端に思い出が落ちています。
例えば伸びた影を 踏み合いながら走った路地。
夏祭りのキラキラした夜。
乗れるようになったばかりの自転車で 転んだ曲がり角。
そんな思い出の詰まった町の 商店街の一角。
隣には喫茶店。 いつもお客さんがいる人気店。 フロートのグラスが変わった形で、 いつも写真撮っちゃう。
同じ通りには、 近所の女性たちに 絶大な人気を誇る かわいい焼き菓子屋さん。
角を曲がると、 元気な兄弟が声を張る、 コスパ最強のフルーツ屋さん。
ご近所さんとして どんな場が欲しいかなあ。
飲食店は不可とのことで、 アトリエ、小売店、 教室なんかが思い浮かびます。
たい焼き、野良猫、路面電車。 下町っぽいクスッと笑っちゃう デザインをしてくれる ネイルサロンとかいいな。
商店街で評判のおでんと唐揚げを買って、 つまみ食いしながら 土間の奥のキッチンへ。
二階は住まい。
遅めのお昼ご飯を食べてると、 窓から聞こえるのは 下校する小学生たちの声。
最近は『紅蓮華』を 一生懸命歌う子たちが多い。
商店街の中央に学校があって、 子どもと町の人の距離が近い。
隣接した建物がないから、 陽がよく入るこの部屋は、寝室。
模様の入った昭和型版ガラスや、古い建具。
トイレの小窓枠すら凝ってる。
タイルのお風呂も珍しくなってきた。
懐かしい昭和のかけらを見るとときめいて、 思わず頰を両手で包んじゃう。
木の窓を開けると、雨が降りそうな匂い。 次のネイルデザインは、 おでん柄にしようかな、と 食べかけのちくわぶを眺める。
ついそんなお店を想像してしまいました。
合う人はとことんハマる町だと思います。 どんなお店が入るのか、 ご近所さんとしても楽しみにしてます。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e