古びた建物好き、秘境好きの皆さま、
こんにちは。
さあ、冒険の始まりですよ。
北九州は若松区。
高塔山の中腹、鬱蒼とした木々の間の
狭い道を下っていくと現れるこちら。

ワンダーランドへの入り口です。

入っていくと…
車庫の上に絡みつくドラゴンがお出迎え。

何故か五重塔のような建物。
こちらも賃貸物件として
出ているようですが
そちらはまた機会があれば…。
なかなかに怪しげで
濃厚な空気が漂う中
向こうに見える港の様子に
現実に少し引き戻されるような
安堵を覚えつつ

900坪もあるという広大な敷地を
さらに進みます。

そして現れるぽっかりとした庭、
年季の入った焦げ茶のタイルの建物。
今は入居者がいるため
オープンな雰囲気が漂っていますが

その昔、若松で
モンスターキャバレーとも言われた
キャバレー「ベラミ」の従業員用の寮として
使われていた建物。
隆盛を極めたという
その店も時代の流れと共に幕を下ろし

この寮もいつのまにか人がいなくなり
家財道具などもそのまま、
時が止まったように
ぽっかり放置されていたのだとか。
今は、アトリエやお店として
2階の部屋が使われており、

今回は、今まで使われていなかった
1階部屋を
格安でアトリエや
作業場として
貸し出すことになったとのこと。

1階のこの共有廊下の様子、
なんともゾクゾクしますね。

照明の具合でしっとりムーディーな
感じに見えますが

今回募集している
素の状態の部屋たちはこんな感じで

昭和を感じられる古き良き部屋たち。

この素朴ともいえる部屋で
華やかなキャバレーの従業員達は
一体どんな生活をしていたのか…

華やかなメイクを施しながら
あの廊下に繋がる窓から顔を出して
ワイワイ賑やかに
やり取りをしていたのかしら。
仕事から帰ってきて
泥のように眠っていたのかしら。

故郷を想い、
手紙を書いたりしていたのかしら。

そんなことに想像を馳せながら
味わい深いこの空間を
はて、どうやって使おうか…
構造軀体に当たらないことと
家主さんの承諾の得られる内容であれば
改装可能とのこと。

現在既に入居してる方々は
ヴィンテージ雑貨、古着、
昭和のヒーロー展示、革細工…etc、
なかなかにユニークな面々で
コミュニティが作られているようですよ。

こちらはラウンジスペース。
作りものではない、ザ・昭和レトロが
そのまま残る素晴らしい空間！
なんとなく建物内の様子、
都築響一氏の写真集に
出てきそうな空気…と思っていたら
なんと、ご本人による撮影はもちろん、
トークショーが行われたこともあったようで。

この庭では時々イベントが開催されていて
様々な人が訪れている模様。

昭和の途中でピタリと止まっていた
時計の針がまた動き出して
その当時からは想像できないような
活かされ方が始まって。
貴重な建物がこうして息を吹き返すのって
すごく素敵なことだと思うんです。
因みに賃料は部屋により違いがありますが、
なんと1〜1万4千円。
この濃密で
唯一無二の空間を活かしたい方、
愛と夢を持ち、
我こそは！と思う方、ぜひに！