社会人になってから、
なかなか友人との都合が合わず
休日は一人で楽しめる趣味を見つけた。

珈琲について学んでみたり、
ペーパークラフトをかじってみたりもした。
充実した時間だけど、
やっぱりみんなに会いたい。
夜明けまで語り明かしたい。

そんな想いが募り、
この部屋に引っ越してから、
初めて友人たちを呼んでみた。

22帖もある贅沢なワンルーム。
太っ腹にたくさん呼んだ。
誰でもウェルカムである。

日が暮れる頃になると、
ぞろぞろと集まり始めた。
窓を開け放つと、
夕陽といい風が入ってくる。
ホームパーティの幕開けである。

段差のところは
自由に腰掛けて
座れるようになっている。

動画編集が得意な僕は
白い大きな壁に
みんなとのキャンプの思い出ムービーを
プロジェクターで投影してみた。

みんなで鑑賞しながら
懐かしい昔話を酒の肴にして
知らず知らずのうちに
時間は過ぎてゆく。

キッチンには
手料理が得意な友人が
お酒に合う料理を振舞ってくれるらしく、
張り切っている。

2くちコンロでは
パスタを茹でながら
同時にソースを作っているようだ。
トマトクリームの食欲をそそられる
良いにおいが部屋中に漂っている。

オールステンレスのキッチンで、
自前のエプロンをつけて
手際よくパスタを湯切りしている姿が
様になるな。

段差に腰かけて映画を観てる人たち

ソファに座ってくつろぐ人たち

テーブルに置いた料理をつつく人たち

ベランダで心地よい風を感じながら
一服している人たちも、
それぞれが思い思いの楽しい
リラックスした時間を過ごしているようだ。

クールな黒い扉を
開けると

洗濯機置き場と収納スペース。
生活用品や衣類はここに
きっちりと収まるようにしてある。
あまり生活感を出さない方が
この部屋の洗練された雰囲気に
合ってそうじゃない？
こうした集まりの時も
扉を閉めれば
いいだけなので重宝する。


「バスルーム、イカしてるな！」
と声が聞こえる。

ガラス張りのバスルームに
みんなワクワクしながらも、
ちょっぴり気恥ずかしさがあるのか
お互いに譲り合っている。
その様子は
さながらコントのようで
なんだか笑えてくる。

「こういう外国みたいな風呂、
　初めてなんだけど！」
先発を指名された彼は
そうは言いながらも、
バスタブにザブっと浸かって
一番風呂を満喫しているようだ。

トイレと洗面台も
同じ空間の中にある。

バスルームは白黒のモノクロタイルが
おしゃれでかっこいいので
お気に入りだ。

小鳥のさえずりで目が覚めた。
いつ眠ったのか、
あんまり覚えていない。
でも夢の中まで、
みんなの笑い声が聞こえてきた。
良い夜だったな。

「じゃあ、また！」
と言うと、みんな一斉に帰っていった。
僕らの宴の終わりはいつも
清々しいくらいさっぱりしている。
ちょうど、
見送りに出たとき肌に感じた
爽やかなそよ風くらいに。

またみんなを呼ぼう。
今度はそれまでに
料理を覚えておもてなししたいな。
そうだ、シーフードパエリアなんて
いいかもな。