場所は兵庫県、丹波篠山。

篠山城跡の近くにある
歴史が詰まった商店が、
1棟空いたようです。

城下町に悠々と佇む、
この貫禄のある存在感たるや！

長年この店舗を守ってきた
先代の人たちの想いが、
今も残っているような空気感。

その意志を継いで
焦らずにゆっくりと、
新しい時を刻んでいきたくなる。

ご近所さんにも、
観光に来た人にも愛される、
漬物屋さんなんていいかもな。

浅漬け、ぬか漬け、麹漬け。
手のひらを独特の香りで染めながら、
「いらっしゃい！」と元気に言いたい。

1階は店舗スペースと、
キッチン・トイレの水回りが。
2階には、お部屋が2つ。

充分な広さだけれど、
もし住むのならば
お風呂がないのが気になるところ。
車で移動することが
多いだろう場所なので、
ドライブがてら
銭湯通いをしてもいいかも。

移住してお店を始めるなら、
銭湯で交友関係を
広めていくのも楽しそう。

おぉ、いいですねぇ。
昔ながらの商店な感じ。

奥にスラッと続いていく連窓と、
味わいのある土間。
ふと見上げれば、
時代が沁み込んだような
深みのある板張りの天井。

なんだか、遠い昔の時代に
タイムスリップした
気分になってくる。

カランコロンと
下駄の音を響かせて、
着物姿の女性が
ひょいと顔を覗かせそうだ。

「菜っ葉の浅く漬けたの、
今日はまだ残ってる？」って。
「まだあるよ！」って、
カラッとした声で答えたりね。

商売に初めて挑戦したい人にも、
ハードルの低いやさしいお家賃。

せんべい屋さんや、
お団子屋さんも
いいんじゃないでしょうか。

ガラスのショーケースがあるから、
そこで作るところを見せたり、
できたてを並べたりできるのかな。

道を歩いているときに
このショーケースがあると、
つい見ちゃうんですよね。
そして見たら誘惑に負けて、
つい買っちゃうんですよね。

購買意欲を高めることなしの、
魅惑のガラスのショーケース。
たくさん使ってあげたいですね。

1階の奥にはキッチンが。

店頭に立つのが疲れてきたら、
小さい木製の丸椅子に座って
ここでこっそりお菓子を食べたり、
適度に休憩してもいいですね。

ほっそりしたこの階段すら、
時代を感じて胸がグッとなる。

過去にときめくようになるのは、
何歳からなんでしょうねぇ。
子どもの頃にこの階段を見ても、
きっとなんとも思わなかったろうな。

美しい木枠の窓に、
ブランと吊られた裸電球。

お店の定休日には
大きな窓を開け放して、
のんびりお昼寝したいなぁ。
たっぷりの風が入ってきて、
きっと気持ちがいいでしょうね。

あら、柄入りの襖！
すてきですねぇ。
下部分に少し柄が入るだけで、
こんなに魅力的になる。

サラッとした木の床の
小さな傷にも
味わいがあり感慨深い。

家は、暮らす人の人生の一部だと、
この家を見ていると思います。
嫌なことも悲しいことも、
嬉しいことも楽しいことも、
この家には知っていてほしい。

懐かしい、ねじ式のカギ！
くるくるっと回すんですよね。

緩やかに光を通してくれる
すりガラスの窓も、
この家にぴったりだ。

窓から見えるのは、
歴史を感じる城下町の景色。

ぼうっと眺めているだけで、
贅沢な気持ちになりそうです。

どこにいても、
人と繋がれる時代になりました。
電話で、メールで、チャットで、
交流ができる時代になりました。

人間の進歩はすばらしい。
科学の発展も驚くほどです。

でも、やっぱり。

「いらっしゃい！」
「今日は暑いねぇ」
「ゆっくり涼んでいって」
「新作あるよ、味見して」

そういう声が、
これからもどこかで
聞こえますように、と。

この先がわからなくても、
未来に希望を持っていたいな。