凛とした蒼に、ポツリと灯る
幻想的な明かり。
私は油絵の世界に迷いこんでしまったのか。
はたまた、
いま息をしている現実世界も、
長い幻想を見ているだけなのか。

そんな
空想にぼんやりふけっていると
日暮れの刻がやってきた。
窓の外に目をやると、
街の輪郭がやけに
ぼうっとして見える。

油絵のような厚みのある深い蒼と
何度も何度も油彩絵具を垂らした
木製パレットのような独特の柄をした床。

ここにいると
普段はどこか奥底に眠っている
芸術的な感覚が呼び起こされる気がする。

私はこの空間を
書物を読むためだけの書斎部屋
「蒼の間」と名付けている。

クローゼットには本棚を2つ並べている。
それでも入りきらなかった大量の文庫本が
地面にも山積みになっている。
書物に埋もれながら、
物語の世界に没頭する。

時には
中世西洋音楽のクラシック作曲家だったり。
はたまた、ある時は、
世紀の大事件の結末を
ガラッと変えてしまうような
歴史大変革者として時空を駆け巡ったり。

ダイナミックな空想トラベルが
毎夜のように繰り広げられる。

場所を移してここはリビング。
ここにも同じ床材が使われている。
壁や扉、
天井がシンプルホワイトだから
木目調の床が醸し出すあたかかみを
ダイレクトに感じられるので
ここも居心地が良い。

間取り図は8帖のリビングに
「蒼の間」を含めた
1LDKの間取りになっている。

普段過ごしているのは、
玄関を入った8帖のリビング。
そして
空想トラベルは奥の洋室「蒼の間」で。

キッチンはシンプルな作りになっている。
コンロは自分で2くちのものを用意した。

流し台の横のスペースには
冷蔵庫を置いていて、

振り返ると
ちょっぴり広めのスペースがあるので、
ここにはコンパクトな３段ラックを置いている。
オーブンレンジや調理量を収納したりして、
自分なりのアレンジを加えて
使い勝手をよくするのも楽しい。

浴室は、
木目調のアクセントシートで
シックに仕上がっていて

トイレには
これまた面白い模様が使われている。
朝のお通じタイム、
「蒼の間」とは一味違った
新しい空想を楽しんでいる。

夜ご飯を食べて
お風呂に入ってひと段落すると
今日もそそくさと「蒼の間」へ。
今夜の私は
いったいどんな人物になるのだろう。
どんな世界に迷いこむのだろうか。

天井から吊るされた照明を
ぼんやり見つめながら、
次第に私は
深い深い空想の世界へと溶け込んでいった。
今夜も、長い夜になりそうだ。