ノスタルジック、という言葉が似合う街。
それは西荻窪。

隣の吉祥寺ほど人出は多くなくて
ゆったり穏やかな空気が流れる。
小さな店や飲み屋がひしめく一角、
あちこちに美味しい名店。
雰囲気のある古い喫茶店や古本屋、
アンティークショップが点在してて。
暮らすことを味わい楽しむ
空気が満ちている。

そんな街で、
とびきり可愛い部屋に出会った。

案内してもらった時
何の変哲もない白い外観に
昭和レトロなお部屋なのかなって思った。

けれど、玄関入って一つ扉を開けた瞬間。
「うっわぁ！！」って声が出た。

ヘリンボーンの床に、
大きな窓からさんさんと入る陽射し。
今すぐここに寝転がりたい、
という衝動を抑え

ほぼ同時に目に入ったキッチン、
はやる気持ちと共に、
シンク前に立ってぐるり見回す。

もうその時点で「ここにします」と
心の中では決めてたかな。
この紺色のタイルに木製キッチン、
めちゃくちゃかわいい。
ただのお飾りじゃなくて
３くちコンロっていう
しっかり料理できる仕様なのがいい。
木目をすべすべと撫でながら
無骨にも見える
頭上の裸電球にもときめいて。

実際にここで料理する光景が
頭に浮かんだし
小さい方の棚には
調味料あれこれ置いて
大きい方には
今ある食器類を全部入れよう、入るかな
なんて考えてた。
入らなければ、
さっき覗いたアンティークショップで
小さな棚を買い足してもいいな。

スーッと生活動線が描ける、
シンプルな間取り。
そしてね、
ダイニングがまた、たまらないの。

こんなところに、かわいい小窓！
ステンドグラスっぽくて
めっちゃ心踊る！！

ベッドルームから見ると、こう。
かく、かく、かく。
ダークな壁、白、くすんだブルーの壁が
三層になってて、すごくいいなぁ。
夜、キッチンの電球の灯りが
柔らかく透けてるのも
きっといいんだろうなぁ。

部屋全体の見事な調和に
目を奪われたまま
ベランダに向かおうとした瞬間
うわぁ、ここでもやられた。

グレーのストライプのクロスに
レトロな橙色のランプ
ちょっぴりノスタルジックで
乙女心くすぐる組み合わせ。
この棚、どうしよう。
こまごましたアンティーク雑貨並べたり
小さな花瓶に花を活けたりしたい。
ドライフラワーも似合いそう。
白い壁には小さなフォトフレームを
いくつも飾りたい。

可愛いうえに収納は結構たっぷり。

あ、扉じゃなく
ロールカーテンになってるんだ。
淡いグリーン、爽やかな色。

大事な水回りは、

ダークな色の扉が
甘めの部屋を引き締めてくれてる。

洗濯機置き場も確保されてるし、

ここにも窓際とお揃いの
ストライプのクロス！
小棚も気が利いてるね。
洗剤はシンプルなボトルに入れ替えて、
化粧水なんかも、
かわいい瓶のものしか置きたくない。

ドアをガチャリ、お次はバスルーム。

ちょっとーー！！

シックな色合いのかわいいタイル。
レトロタイル好きには
たまらないでしょ？

お風呂とトイレと洗面所、
全部一緒だけど、そこまで窮屈でないし、
すっきりと清潔感があっていい。
何よりここの主役は
床のかわいいタイルで決まりでしょう。

ダイニングとベッドルームは
ほんのり区切られているから
全体に光がよく入る。

天気がいい朝は、
日当たりのいい窓際に
移動して、カフェオレすすって
トーストかじりたい。

ベランダは結構広くて
洗濯物を干すのに十分だけど
１階なので、気になる衣類は
部屋干しがいいかも。

お休みの日には
パンプスでもスニーカーでもなく
ワンストラップの靴を履いて
あてもなく散歩して
すぐそこの喫茶店に入ってみたい。
このノスタルジックな街の空気に
早く溶け込めるように。

本当は乙女チックなものに
心惹かれるんだけれど
甘々すぎると気後れしちゃうから
なんとなく心の奥に隠してしまってた。
そんな本音を見透かされたような
甘さとノスタルジーが絶妙なバランスで
ミックスされた、
私にぴったりの部屋、見つけた。