最近は、
「ミニマリスト」という人たちが
増えているらしい。

必要最低限のモノだけを持ち
物欲に縛られずに
生きる人たちのことを言うみたい。

意識はしていなかったけれど
ひょっとして自分も
それに当てはまるのではないか

そう思うようになったのは
この部屋に来てからだった。

玄関を入ると
おもしろい形をした
６帖の洋室が広がる間取り。
浴槽は無い。
ミニマリストなので。

だけど
こだわりはある。
そう、無限大にね。

どうぞ見てくれよ！
このスケスケのシャワーブース。
近未来の日焼けマシーンではないぞ。

煌々と照らす照明の下、
コンクリート壁に囲まれた
アーチ型のガラス扉をスライドさせると

モノは必要最低限に。
石鹸とリンスインシャンプーの
ボトルだけセットしてある。

使った後は
ササッと拭きあげて
いつもカラッと綺麗にしてある。
これも、
シンプルだからこそできること。

休日には
夜のランニングから帰ってくると、
飛び込むようにブースに入り
火照った身体の汗を流して
ほとんど半裸のまま
キンキンの缶ビールへ手を伸ばす。

ここまでの流れ
言わずもがな、至福。

洗面台もシンプルイズベスト。
暮らす上でやっぱり
切り離せない水回りのあれこれ。
コンパクトでありながらも
独立洗面台になっているところが良い。

そしてタンクレスの
温水洗浄便座付きトイレ。

毎朝快調、快腸。

キッチンも
コンパクトに仕上がっている。

本格的な調理は
ちょっと難しいけれど、
週末にまとめて作ったおかずを
タッパーに詰めて冷凍したりで。

それなりにやれているよ。

居室はカクカクしていてユニークな形。

そして
壁の一面のホワイトタイル柄、
いいだろう？
コンクリート壁との組み合わせが
なんともクールでいかしてるじゃないか。

振り返って窓側もカクカク。
家具の配置には
随分と頭を悩ませたけど。
カクカクの「カク」に沿って
ベッドを置いてみたら
良い感じに落ち着いた。

モノがない分、
箱の形にこだわりを持ち始める。
それでも毎日飽きさせない決め手は

やっぱりお前なんだな。

浴槽はない。
テレビもない。
恋人だって、まだいない。
だけれども満たされる心。

どうやらボクは、
身軽に生きているらしい。