家にいる時間が増えることは、苦じゃない。
家が大好き、ずっと家にいてもいい、
むしろ、ひきこもっていたい。
リビングに座った先に見えるのは、
まっすぐな水平線。
ひたすら広い、海と空。

なんという贅沢！

居室は天然の板張り。
目の前は大海原なのに、
まるで森の中の
ログハウスにでもいるみたい。

森と海と空、
ただただ自然に囲まれた部屋で、
僕がいて、隣にはきみがいて。
遠くの波を見ているだけで、
心が凪いで、満たされて。
人生に必要なものって、
そんなにないかもなと思えてくる。

僕らにちょうどな、
このコンパクトなサイズ。
ベッド横からひょいと登れる
ロフトまでついてて。
雨の日、屋根に当たる雨音を聴きながら
こもって読書するのも、またオツなもの。

リビングから突き出したデッキ部分は
まるで船の先っちょみたい。

誰にも邪魔されない僕らの特等席。

晴れた朝は、まずはここでコーヒーを。
夜は漁火を見ながらワインなんてのも素敵。
あ、ロッキングチェアも欲しいね。
買おうか。うん、買おうよって。
なんてことない会話もみずみずしい。

そして特筆すべきは、外観のこの可愛さ！

白い板張りに、茶色い古木の扉。
こじんまり、可愛いサイズ感の平屋。

実はここまで、
細い石段をえっちらおっちら150段ほど
上らなくてはいけないのだけれど…
きみと、こんなおうちが
待ってるなら頑張れる。

木々が茂る暗い道の先に、
オレンジ色の灯りが漏れる窓が見えたら
一気に心がほぐれて、
ただいまって笑顔になれる。

ほら、玄関開けても、癒し系。
古木の床の、あたたかみ。

そしてそして、もひとつ興奮ポイントは

ウッディなリビングとは対照的にも見える
スタイリッシュな水回り！
床と天井には古材が使われていて、
ダークなモルタル壁との
コントラストがかっこいい。

この洗面所のコーナーと木枠の窓なんか
最高にグッとくる。

夜は遠く波の音を聴きながら
トロリと眠りに落ち、

朝は眩しい太陽の日差しで目が覚めて。

ジュワーとベーコンが
焼けるにおいをかぎながら、
コーヒー淹れて。

今日はそっちで朝ごはんにしよっか、
とテーブルをデッキに出す。

雲ひとつない青空の下、
プツリとナイフを入れたベーコンエッグの
焼き加減が最高で、幸せを噛みしめたり。

今日の予定もぼんやりしたまま、
とりあえず階段を降りる。
目の前をコトコトと
江ノ電が通り過ぎていく。

小さな線路をヒョイと越えるだけで、
もうワクワクな1日が待ってる。

遠くへ行かずとも、
すぐそこの海辺に出るだけでいい。
こないだ見つけた
近所の古道具屋ものぞいてみようか。
散歩して、なんか美味しいものでも買って、
おうちに帰ろうか。
それで十分。

きっと皆が求めてる、
癒しの鎌倉の非日常が
僕らにとっては日常。

ひきこもりって、
ネガティブさを感じさせる
響きもあるけれど、あえて言いたい。
ひきこもり、バンザイ。
家が大好きなのは、幸せなこと。