京都・岡崎エリアの三条通から
北へと延びる小さな参道。

朱色の鳥居が並び立つ
風情あふれる景色ですが、
なんとこの参道の突き当たりに
今回ご紹介するお家があります。

いや、いくら京都とはいえ
それは舞台が整いすぎでしょ…
しかも京町家だなんて。

振り返ると、
辿ってきた参道と鳥居。
本当に参道の突き当たりです。

それではさっそくお家の中へ。
門扉を開けると砂利を敷いた
立派な前庭がありました。

敷石を踏んで
格子戸をカラカラと引くと、
現れたのは味のある玄関土間。
しっとりした和の雰囲気に
浸っていたのも束の間、

顔を上げると
モダンな空間が広がっているのでした。

間取りは2階建ての3DK。
ご覧のとおり、玄関を上がってすぐ
キッチンカウンターを中央に据えた
ダイニングキッチンが出迎えてくれます。

そのキッチンカウンターがこちら。
モールテックス仕上げの天板は
重厚感がありつつ、
ナチュラルカラーが
あたたかみを感じさせます。

ペンダントライトが
カウンターをやさしく照らし、
まるでカフェやバーのよう。

けれども、格子や障子の建具が
京町家であることを思い出させてくれます。
すっかりワインやエスプレッソの
気分になっていましたが、
日本酒や煎茶もいけるな。

窓の格子から差し込む光が
キッチンカウンターに落とす
縞々の影模様が美しい。
この家を象徴するような光景です。

ダイニングの奥には4.5帖の和室、
そのさらに奥には坪庭。

ダイニングと和室は
格子戸で仕切ることもできますよ。
これぞリノベ京町家！ と
言いたくなる眺めに
気分が上がりますね。

リビングになる和室は、
ちゃぶ台と座布団にしよう。
冬はもちろん炬燵。
畳の上でくつろぎながら

もみじの植わった庭を眺めるのは
きっと至福のひとときだろうな。
今年は残暑が続くらしいから
紅葉が遅いかもしれないですね。

和室の向かいには洗面所があります。
片方がなめらかにカーブを描く天板、
ヘリンボーン柄に張ったタイル、
スタイリッシュな水栓、すべてが好き。
水回りにレトロな建具を
採用しているのもすごくいい。

トイレもレトロな建具ですが、

バスルームは機能性を重視。
窓越しに坪庭を眺めることができます。

続いて2階へ上がる…その前に、
階段下収納をチェック。
なかなかの容量がありますね。

ふすま紙のデザインもかわいくて最高。

というわけで、
今度こそ階段を上って2階へ。

階段を上りきったら、
いきなりこのアンテイークな扉ですよ。

扉の向こうは4.6帖の洋室なのですが、
やはり扉が気になって仕方がない。
木枠の透彫装飾は
チューリップのかたちだそう。
素敵すぎやしませんか。

なんて言いつつ、お部屋の中も
素敵なんですねえ、これが。
あれ、でもちょっと待って、
なんで片隅に洗濯パンがあるの？
と思ったら、

すぐ隣がベランダなのでした。
なるほど、洗濯即干せるという
生活動線への配慮なのですね。

山まで見渡せる眺望付き。
目を引く朱色の鳥居は
平安神宮の大鳥居だそうですよ。

2階にはもうひとつ
6.3帖の洋室があります。
採光は南向きの腰高窓なので
寝室にぴったり。

アクセントクロスには
紫色の手漉き和紙をチョイス。
ダウンライトも相まって
ほんのり高級感の漂う空間に
仕上がっています。

ほかにも2階のトイレに
波千鳥透かしの雪隠戸が
使われていたり、

1階和室の畳のヘリが
「鮫小紋」だったりと、
これでもかというほどの
ディテールへのこだわりっぷりに脱帽。

参道を抜けた先、
ロームシアターや平安神宮の近所という
立地の強さに負けない
魅力をたたえたお家です。