リビングいっぱいに広がる、大きな窓。 そこから射し込むやわらかな光と 風にそよぐ植物たち。 こぢんまりとしているけれど、 それがちょうどいい。 忙しい日常をちょっと離れた先に、 隠れた基地のようなお家を見つけました。

舞台は京都・伏見区。 京阪「丹波橋」駅から徒歩わずか4分。 駅近だけど、ひょいっと 小さな路地を入るので、 ぐっと“隠れ家感”が増してきます。

ちなみにお家の横には、こんな階段が。 行き止まりかと思いきや、 ちゃんと通れるんです。 どこへ続いているのか ワクワクするような、 小さな探検路。

間取り図にも外階段が ちゃんと記されておりました。 お家は、1LDK＋納戸というコンパクト設計。 なんと2025年5月に フルリノベーションされたばかりの ピカピカ物件なのです。

玄関はリノベーションならでは！ 大胆な透明ガラスの引き戸で、 まるでお店のような佇まい。 ギャラリーかしら、おじゃましまーす、 と中へ入ると

光がふんわり広がる明るい土間。 外からは丸見えなので、 いっそのこと植物やラグ、 スツールなんかでサンルームのように 飾ってしまうのはどうでしょう。

玄関から上がると、 最初に出迎えてくれるのは6帖の洋室。 白を基調とした室内に、 現しの梁と天井がやさしいアクセントに。

2つの窓の配置が絶妙で、 視線を気にせず、やわらかな自然光が 室内にすっと届きます。

もう一つのお部屋は納戸。 その名の通り、収納たっぷり。 お気に入りの姿見を置けば、 ファミリークローゼットとしても大活躍。

とはいえこちらのお部屋も6帖。 当時のまま活かされた天井と、 天窓までついた贅沢な空間。 うーん、納戸として使うのは ちょっともったいない気がしてきました。 窓の横にデスクを置いて、 書斎として使うのも素敵かもしれません。 ぽかぽかと陽だまりの中、 心地よく作業できそうです。

1階には水回りも きゅっとまとめられています。 スリムな奥行と二面鏡が嬉しい洗面台に、

広々とした綺麗なお風呂。 少し温かみがある色味が このお家にぴったりです。

洗面室を出て階段で2階へ。 廊下の柱や梁も、当時のまま このお家の顔になっています。

上を見上げると、 階段に光を落とす大きな窓。 路地にあるお家とは思えないほど 家全体が明るいのは、 あちこちに設けられた窓の計算あってこそ。

2階へ上がると、壁一面の窓に 囲まれたLDKが広がっていました。 高いところに浮かんでいるような開放感と お家を支えてきた大きな梁も相まって、 まるで憧れのツリーハウス。 小ぶりなライトが ちょこんちょこんと灯る様子も、 なんとも愛おしいんです。

目の前は住宅街だけれど、 視線はぬけていて、青空もばっちり。

そしてバルコニー。 開放感を重視して あえてグレーチングを採用、 手すりは控えめに。 地べたに座って足をぶらりと伸ばせば、

夜風を感じながら空を眺める、 特等席の完成です。

ソファはこんなふうに 外が見えるように置きたいですね。 決して大きくはないお家なのですが、 それでも窓の外の景色まで、 ぜーんぶ手にしたような 気持ちになるんです。

駅のすぐそば、なのに どこか秘密めいたこの場所。 そこにはふっと肩の力が抜けるような、 不思議な居心地のよさがありました。 まるで木の上にぽつんと浮かぶ、 ツリーハウスのような、小さな非日常。 毎日の暮らしのなかに、 ちょっとした“隠れ家”を持つ という選択、いかがでしょう？

文・せのおさくら リノベーションのしごと。 朝ごはんを座って食べる暮らしをめざす。