北野天満宮や金閣寺にほど近い、 紫野上柏野町。

このエリアは西陣織の産地としても知られ、 大正時代には、 街中で機織りの音が聞こえていたんですって。

現在は、伝統的な街並みが静かに息づく 落ち着いた住宅街が広がっています。

（むらさきのかみかしわのちょう。 ひらがなにするとちょっと長いけど、 つい読み上げたくなる、美しい響き）

和菓子屋さんや漬物屋さんが軒を連ねる 賑やかな商店街を通り過ぎ、 見えてきたのはシックな外観。

新しそうに見えますが、 こちらは、2025年5月にリノベーションが 施されたばかりの京町家なんです。

既存の躯体はそのままに、 現代の景色にもふわりと馴染む、 モダンな佇まい。

見た目だけでなく“中身”にも アップデートがなされていまして。

玄関を開けたら試しに 「明かりをつけて」と言ってみてください。 パッと照明がついて、室内が明るくなります。

そうなんです。 実はこちらの物件、 長い歴史を歩んできた京町家でありながら IoT機能を備えたスマートホームなんです！

間取りは家族で暮らせる3LDK。 廊下が少なく動線がコンパクトなレイアウトは とくにファミリー層に人気です。

各居室への移動はリビングを経由するため、 家族の会話も弾みそうですね。

では、室内をご案内しましょう。

玄関からすぐの場所にある14帖のLDKは、 板張りのラインが美しく、 奥行きを感じる設計。

天井と床には同じオーク材が用いられ、 木の素材感をダイレクトに味わえます。

なお、居室内のエアコンも スマホで操作可能です。 外出先でも室温をコントロールできるので、 夏や冬も快適に過ごせます。

掃き出し窓の外には、緑のお庭。 夜にはガーデンライトが優しく灯ります。

晴れた夜には、 庭を眺めながらお酒を嗜んでみたり。 BGMが欲しくなったら、 声ひとつで音楽も再生できますよ。

窓の外にあるL字の濡れ縁には やわらかい日差しが降り注ぎます。

日光浴がしたくなる、 居心地のよい屋外スペースです。

リビングからキッチンのほうに目をやると、 視界にはこんな感じの眺めが。

空間のアクセントとなる木の風合いに、 照明の絶妙な配置。 これぞ、リノベーションの底力。

毎日使うキッチンは、飾らずシンプルに。 調理スペースも広めなので、 食器や調理器具も楽に並べられそう。

キッチンの背面には腰窓、 そして天井に折り込まれた間接照明。 自然光と照明の光が 空間を明るく照らします。

水まわりの設備はLDKの隣に集約。 洗面スペースもまた、 無駄を削ぎ落としたシンプルなつくりです。

こちらはお庭の眺望を楽しめる 贅沢なつくりのバスルーム。

白を基調とする家の中で、 浴室だけはブラックで統一されています。 硬質なデザインがかっこいい。

なお、お風呂にもIoT機能が備わっています。 帰宅前にお湯を張っておき、 帰ってきたらすぐにポカポカのお風呂に入る。 そんなこともできますよ。

リビングの一角にあるのは、2階へと続く階段。

2階には3つのお部屋がありまして、 こちらはいちばん広い5.5帖の洋室です。

クセがなく使いやすいお部屋ですが、 壁の横幅いっぱいに並んだ窓に こだわりを感じます。

続いて、もう1つの洋室は4.8帖。 小さなお部屋ですが、天井が高く開放的。 シングルベッドと机が置ける広さなので、 子ども部屋や書斎などにいかがでしょう。

3つめのお部屋は4.4帖の和室です。 和モダンな琉球畳に、伝統的な床の間も。

お花を活けたり、お雛様や五月人形を飾ったり 季節によって色々な使い方を楽しめそうです。

2階にはトイレがもう1つ。 家族が多い方も、これなら快適、安心。

インターホンと宅配ボックスもスマート仕様。 外出先でも来客や宅配を確認できるので、 何かと便利なんですよ。

それに、「誰が来たのか」が常にわかると、 防犯面でも心強い。

物件から徒歩3分の場所にはバス停があり、 京都駅には乗り換えなしでアクセスできます。

なお、最寄りの北野白梅町駅からは徒歩21分。 時間に余裕があるときは、 商店街やお寺をぶらりとお散歩しながら 駅を目指すのも楽しいかもしれませんね。

昭和7年に建築されたにもかかわらず、 最新テクノロジーが搭載された京町家。

そのギャップに驚きつつも、 古きと新しきのイイトコドリで 暮らしの質がグンと高まる。

そんな予感がしませんか。

文・さとうめぐみ フリーライター。間取りを見ると元気になる。引越しを繰り返し、ようやく茨城県に定住。普段は子どもに関する記事を中心に手掛けている。 @Megumi_Satou_