ずるい。 こんな妙味を醸し出す部屋が 熱海にあるなんて、 住みたくなるに決まってる。

なんなんですかねーこのキッチン。

ちょっとゴッホやゴーギャンを 思い出しました。

色彩感覚というかマチェールというか、 そのあたり、いい意味で独特。

家具や建具、壁の風合い、

カーテンのチョイス、素材同士の相性。

めくってわかる組み合わせの落差、

主役然としたボリューム感、存在感。

躯体の力と表層の力の織りなす作用。

ちょっとだけ感じる異世界感。 異国情緒感をこえた異世界感。 どこか懐かしく、でもフラットで新しい。

熱海ってさ、 日本の普通と比べて ちょうどそんな街だよねと 私が熱海に抱いているのと同じ ちょっとズレた感じの リトルビットファンタジーな異世界感。

そう聞くとほら、 外観も違和感ないでしょう？

それでいて 間取りは暮らしやすそうないい塩梅だし、

水回りはキッチリ仕上げられてる。

でもところどころに 元の建物が素材として顔を出すの。

このあたりが ほどよく溶け合い混ざり合ってるのが ほんとうまいなー！

ほら便器は新し目の洗浄式で、 手洗いは懐かしいデザイン。 それでトイレットペーパーのホルダーは ユニークさを忘れないし。

気取って揃えた家具ってわけでも ないですよと言わんばかりの このリミックス感。

ここだけカッツリ四角？ と思わせつつ やんわりアールのあるデザインの照明。

いいなー、うまいなー。 これ、狙って作ってるとしたら 一体誰のデザイン、制作なのか気になるし、 集合知的な偶然の着地なんだとしたら どんないいチームだよ！と それはそれで気になる。

だって、この洗濯パンにこの洗面台ですよ？

素材のチョイスだけでも不思議！ 積み重ねて掛け合わせて ここまでたどり着いたんですかねー。 誰かのセンスの結晶なんでしょうか？

熱海にはほかにも 素敵に改装された物件があったり、 それらを作ったりしてる人がいることは 以前より存じ上げているので、 https://machimori-fudosan.jp/colum/tsukuruhito3/ 今度会ったら三好さんにも聞いてみよう！ https://machimori-fudosan.jp/colum/tsukuruhito2/

文・森岡友樹 物件ファン初代編集長でアーティストで間取りストでプランナーでうどんの人。ついに最近不動産屋になったり、地域活性系アートイベントのプランニングしたり製麺所の新規事業を手伝ったり小説書いたり何でも屋感がますますましまし。HPは一生準備中。 Instagram