ガラスの扉に腰高の茶色のタイル。 懐かしい雰囲気が存分に漂う、 元歯科医院が賃貸に 出されているんですって。 元〇〇がお好きな物件ファンファンさんに 朗報ですよ！

1階の奥と2階が住居になっている 一軒家。 医院の入口とは別に、 奥に玄関があります。 医院部分は3部屋、住居部分は板間を 合わせると7部屋になるのかな？ 建物面積は約36坪で、 事業に展開しやすい広さです。

医院側から見ていきましょう。 入口には歯医者さんらしい、 診察時間の看板がありました。

石造り風の壁がエレガント。 明り取りのチェッカーガラスも 良い塩梅。 上品な待合室です。

そうそう、待合室と言えば、この小窓。 ちょっとかがんで、診察券を 出すんですよね。

中は、いかにも「医院」な、おもむき。 診療台を取り払ったお部屋は、 なかなかの広さです。 十字枠の大きな窓がレトロ感を 高めてくれていますね。 すりガラスを通る光が 柔らかく差し込んでいて、いいなあ。

窓を開けると、植栽可能な小さな庭。 奥は玄関があるので、通路も 兼ねています。 こちらが南に当たるので、植物を 育てるのにうってつけ。 四季折々の草花を、コンパクトに まとめると、かわいいだろうな。

今回、事務所・店舗・軽飲食店での利用が 可能とのこと。 どの事業をやるにしても この窓の前には、アンティーク調の テーブルが似合いそうです。

この写真、まるで、一幅の絵画みたい。 奥行きのある家だから、絵になるんだな。 小窓とドアの開口部の高さが ほぼ揃っているのも愛おしい。

奥に行くと、住居スペース。 木枠の窓や古びた柱など、 ノスタルジックなたたずまいが 胸を打ちます。

昔ながらの引き戸の玄関も たまりません。 ガラスの欄間に乳白色の照明、 希少な型板ガラスも古民家ならでは。

一番奥には水回り。 大きなスロップシンクがある所は 医療機関だったことを物語っている ような気がします。

2階は和室だったお部屋が2つと…

洋室が2つ。 南向きなので、写真のように壁を 解放されていたら、照明なしでも けっこうな明るさがあります。

ちなみに、洋室にはこんなキュートな 照明が残っていました。 改装しても、なにかに利用して欲しいな。

2階にもトイレがあります。 和式なので改良の必要がありますが、 配管から整えなくてもいいのは ありがたい。

2階にも、型板ガラスがたくさん 使われていて、うれしい所。 懐かしい柄模様に、子どものころ、 指でなぞって遊んだ記憶が 呼び起こされます。

大阪はJR環状線、寺田町駅から徒歩4分。 駅前の賑わいが落ち着いた界隈で 人通りが多いわけではありませんが、 個性的な飲食店や銭湯など、暮らしに 寄り添うようなお店が点在するエリア。

住居を兼ねた、事務所や店舗の利用も 可能とのことです。 業種については要相談、 改装業者の指定もあるので、 くわしくは掲載元をご確認くださいね。

町の歯医者さんとして、営みを刻んできた 面影が残る建物。 新しい命を吹き込むなら 1階をショールームやショップにして 2階はアトリエ＆デザイン工房に… とかかな？ 他にも、美容院、ギャラリー、ブックカフェ… などなど、妄想がふくらんで 仕方がありません。

古きよきものを活かしながら リノベーションをほどこせば かけがえのない 町の新たなランドマークに 生まれ変わりそうです。

文・葱山紫蘇子 大阪で娘3人息子1人と暮らす独り身。元劇団維新派役者竹山らいち、元ミニシアター従業員、元介護職。建物と書き出し小説と漫画と毛布のヘリが大好き。 Lit.Link